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愛人、愛国心、ソ連...プーチンが「好きなもの」だらけの、愛人のためのイベント

Vladimir Putin Holds Festival for Alina Kabaeva, His Rumored Mistress

2022年6月3日(金)17時47分
ジュリア・カーボナロ
プーチンとカバエワ

選手時代のカバエワの隣でほほ笑むプーチン(2004年) REUTERS/ITAR-TASS/PRESIDENTIAL PRESS SERVICE/Files

<「影のファーストレディ」と呼ばれる元新体操女王の名前を冠したイベントには「プーチンの好きなもの」が詰め込まれている>

私生活が表に出ることがほとんどないロシアのウラジーミル・プーチン大統領だが、2014年にリュドミラ夫人と離婚し、現在は愛人とされる元新体操選手のアリーナ・カバエワと「事実婚」状態とも言われている。カバエワは04年アテネ五輪の金メダリストで、そんな彼女のためにプーチンは、大規模な「体操イベント」を開催しているようだ。

ロシア国営テレビ「ロシア1」が放送中の「アリーナ・フェスティバル」は、旧ソ連時代へのノスタルジアが満載の、愛国的なイベント。何百人もの子どもや体操選手たちが、ステージ上で壮麗な振りつけのパフォーマンスを披露し、ロシア人歌手たちが旧ソ連時代の愛国歌を歌い上げている。

メディアサイト「デイリー・ビースト」のジャーナリストであるジュリア・デービスは6月1日、ツイッターに「ロシア1」で放送されたフェスティバルの映像を投稿。「きょうロシアで始まったこの体操イベントには、プーチンの好きなものがぎっしり詰め込まれているように思える。ソビエト時代への過剰なノスタルジアが表現され、イベントの名前は、彼の愛人と噂されているアリーナ・カバエワにちなんでつけられたものだ」と書き込んだ。

4月のイベントではカバエワがロシア軍を称賛

カバエワの名前を冠した体操イベントが開催されるのは、今年に入って2回目だ。西側メディアの複数の報道によれば、4月下旬にモスクワのVTBアリーナで開催された前回のイベントには、カバエワ本人も姿を見せたという。ロシアで「影のファーストレディ」として知られる38歳のカバエワはこの時、第2次世界大戦でロシアがナチス・ドイツに勝利したことと現在のウクライナでの戦闘を関連づけ、ロシア軍を称賛したとされている。

2004年アテネ五輪の金メダリストで、引退後はロシア下院の議員を務めた経験もあるカバエワは、ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を開始して以降、身を潜めていると考えられていた。現在はスイスで暮らしているとみられるが、3月にはスイスで、彼女の国外追放を求めるオンライン嘆願書が提出された。

カバエワは当初、ウクライナ侵攻を受けて各国が発動した制裁の対象には含まれていなかったが、イギリスが5月に主要国として初めて、彼女を制裁対象とした。5月初頭には欧州連合(EU)も、プーチンに近い人物として制裁対象リストにカバエワの名前を追加することを検討中だと報じられた。また5月末には、カナダも彼女を制裁対象リストに追加した。

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