<2019年6月から大規模なデモが続き、市民と香港政府の対立は激化した。今は表面的には落ち着きを取り戻したように見える>

香港では2019年6月から半年以上にわたって大規模なデモが続き、世界で連日報じられた。

そもそもの発端は、香港にいる犯罪者を中国本土に送ることが可能になる「逃亡犯条例改正案」に対する市民の反発だ。市民と香港政府の対立は激化し、双方の暴力行為がエスカレートした。

2020年に入るとコロナ禍によって集会が禁じられ、6月には反政府運動などを禁じる「国家安全維持法」が中国政府主導で強権的に施行される。言論の自由への制限が強まり、中国共産党を否定していた新聞は廃刊に追い込まれた。

そこまではニュースで見聞きした人も少なくないだろうが、その後の香港社会はどうなっているのか。

実態は、この状況にやむを得ず慣れ始め、表面的には落ち着きを取り戻したように見える。

香港民意研究所の世論調査に「一国二制度を信じる」と答えた人は、27%(2020年2月)から45.8%(2022年2月)まで回復。治安の悪化や経済的損失による疲弊や諦念が背景にある。

6月末には林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が退任する。5月8日に行われる次期選挙では、デモ鎮圧で香港警察を指揮した李家超(ジョン・リー)が中国の強い後押しを受けて当選確実に。

自由への締め付けがさらに強まると懸念されているが、もう以前ほどの反発は起こらないかもしれない。

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