最新記事

ウクライナ情勢

【映像】激戦地イルピンから戻ってきた父との再会に感極まる家族

2022年4月5日(火)22時10分
川口陽
ウクライナ兵

破壊された橋の下を歩くウクライナ兵(4月1日、イルピン) GLEB GARANICH-REUTERS

<戻ってきた父の胸の中で家族は号泣>

キーウ(キエフ)近郊にあるイルピン解放のため激戦地に赴いたウクライナ人の父親が、家族と涙ながらに再会を果たす映像が話題になっている。この動画はネット掲示板「Reddit(レディット)」のフォーラム「Made Me Smile」に投稿された。

映像の冒頭、男性は家族を驚かせようとドアの覗き穴を手で隠しているのが分かる。ドアを開けた男の子は、一目見るなり感極まって抱きついた。家に入ると、父の存在に気付いた(娘と思われる)2人の女の子が小走りでやってきて、その胸に飛び込む。胸の中で号泣する2人の頭を優しく撫でる男性は、家族との再会に感謝し、満ち足りた表情を見せる。3人は抱き合ったまま、動画は終わりを迎えた。

映像について詳しい情報は明らかになっていないが、多くのユーザーがコメントするように、すべての家族にこうした喜びの瞬間が訪れているわけではない。

イルピンのオレクサンドル・マルクシン市長は先月28日、ロシア軍からの奪還に成功したと発表。しかし、重要なインフラの約50%が破壊され、市内はほとんど廃墟と化している。ウクライナ外務省は1日、最大300人の民間人と50人の防衛隊員が犠牲になったという市長のコメントをツイッターで引用した。

同じくロシア軍から奪還したイルピンの北に位置するブチャでは、両手を後ろで縛られ後ろから射殺された死体をはじめ、拷問された形跡のある犠牲者が多数発見されている。4日にはヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が現地を訪れ、ロシア軍による「大量虐殺」を目の当たりにし、その後のスピーチで怒りをあらわにした。

アメリカのバイデン大統領は月曜、「ブチャで起きていることは言語道断であり、誰もが知るところとなった」と述べ、プーチン大統領が戦争犯罪者であるとの考えを改めて表明した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国スマホ販売、第1四半期はアップル19%減 20

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中