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経済制裁

米政府、プーチンの娘2人も制裁対象に 狙いは大統領の隠し資産

2022年4月7日(木)19時57分
プーチン大統領の娘カテリーナ・ウラジミロフナ・ティホノワ氏(写真左)

米政府が発表した対ロシア追加制裁は、プーチン大統領の2人の娘、マリア・ウラジミロフナ・ボロンツォワ氏とカテリーナ・ウラジミロフナ・ティホノワ氏(写真左)が対象に含まれている。写真は2014年4月、ポーランドのクラクフで行われたアクロバットロックンロールの大会で撮影(2022年 ロイター/Jakub Dabrowski)

米政府が6日に発表した対ロシア追加制裁は、プーチン大統領の2人の娘、マリア・ウラジミロフナ・ボロンツォワ氏とカテリーナ・ウラジミロフナ・ティホノワ氏が対象に含まれている。プーチン氏の資産隠しに関与しているとみなされたからだ。

追加制裁に関する詳しい説明を見ると、妹のカテリーナ氏はハイテク企業幹部としてロシア政府と国防省を支援する仕事に携わっている。姉のマリア氏は、ロシア政府が資金提供している遺伝子研究プログラムのリーダーだ。このプログラムはプーチン氏が個人的に監督しているという。

米政府高官の1人は「プーチン氏と多くの取り巻き、新興財閥(オリガルヒ)らが、家族名義で自分たちの財産を米国の金融システムに置く形で資産の隠匿を図っていると信じるに足りる理由がある。われわれは、プーチン氏の財産の大部分が家族を利用して隠されていると信じており、だからこそ家族を制裁の標的にしている」と語った。

ロイターはカテリーナ氏とマリア氏、およびその代理人、ロシア政府にコメントを要請したが、回答を得られなかった。

今回の制裁は、バイデン大統領がウクライナにおけるロシアの「さまざまな残虐行為」を非難したことに基づき発動された。ロシアのラブロフ外相の妻と娘も対象に加えたほか、米国人の対ロシア投資を禁止し、ロシア最大の銀行ズベルバンクなどの資産を凍結した。

プーチン氏の個人資産がどの程度あるのかは、ロシア国内では気軽には持ち出せない話題だ。ロシア政府は昨年、反政府活動家ナワリヌイ氏の調査チームが動画で黒海の高級リゾート地にある超豪邸はプーチン氏の所有だと告発したことについて、事実ではないと否定。ペスコフ大統領報道官は今年2月、プーチン氏個人を対象にした各種制裁は的外れで、「幾つかの資産についてばかげた主張が制裁理由となっている。プーチン氏は自ら宣言した以外には何の資産も持っていない」と述べた。

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