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フィンランドがNATOに加盟すればプーチンは北欧にも侵攻する

'You Cannot Appease Putin,' Says Former Finland Leader As Country Considers Joining NATO

2022年3月8日(火)16時50分
イワン・パーマー

西側の軍事同盟NATOに加盟する是非についてのフィンランド世論も、ここに来て大きく変化した。

フィンランドの放送局YLEの委託により実施された最近の世論調査では、フィンランド人の過半数が、自国のNATO加盟に賛成だと回答した。加盟賛成が53%で、加盟反対は28%にとどまった。

ロシアはすでにスウェーデンとフィンランドに対し、両国がNATOに加盟した場合には、軍事的に重大な結果に直面するおそれがあると警告している。

ただしNATOに加入する際フィンランドとスウェーデンは、ウクライナ危機が北欧に拡大することがないよう留意しなければならない、とストゥブは述べた。

ストゥブはさらにこう語った。「フィンランドとスウェーデンの政府首脳は現在、NATO加盟国と交渉に入っているはずだ。幸い、フィンランドには強固で独立した防衛力がある。我々は64機のF-18戦闘機を保有しており、F-35戦闘機についても追加発注を行ったところだ」

「我々はこれまでも常にNATO部隊との演習を実施しており、アフガニスタンではNATOの作戦に参加した。(国防に)不安はないと感じている」

「それでも、世論は急激に変化して、NATO加盟を真剣に検討せよと言っている。最終的には、タイミングの問題だろう」

以前、本誌とのインタビューでストゥブは、フィンランドがNATOに加入すればロシアとの緊張がさらにエスカレートする可能性があると認めていた。

だから、急がず冷静に事を運ぶつもりだ。「NATO加盟の申請が即座に行われると考えている人は、失望することになるだろう」「我々が加盟を急がないのは、急げば安全保障上の脅威が増すと思われるからだ」
(翻訳:ガリレオ)

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