最新記事

栄養

「私は母乳で儲けました」という動画に危ない反響

Woman Makes More Than $13,000 Selling Her Breast Milk to Bodybuilders

2022年2月17日(木)18時20分
サマンサ・ベルリン

栄養豊富で「黄金の液体」とも呼ばれる母乳 undefined undefined-iStocks

<しばしば「黄金の液体」と呼ばれるほど栄養価が高い母乳はウェイトリフティング界でブームになっているが、落とし穴もある>

母乳を売って1万3000ドル以上稼いだ――ある女性のこんな告白が、ネット上で大きな注目を集めている。売った相手は、ボディビルダーだという。

これはミラ・デブリート(@debrito_bunch)が2月12日にTikTokに投稿した動画の中で明らかにしたもの。動画の視聴回数は、23万9000回を超えた。

母乳は栄養価が高いことで知られており、免疫力を強化するのに有効であることも証明されている。そのため「黄金の液体」と呼ばれることが多いが、この呼び方は、初期の母乳の色にも由来している。「初乳」とも呼ばれるこの母乳はとても濃く、黄色っぽい色をしていることが多い。

母乳育児用品メーカーのメデラによれば、初乳は母親が産後の最初の数日間に分泌する母乳のことで、とろみのある濃厚な液体だ。脂肪分が少なく、さまざまな栄養素やたんぱく質が豊富に含まれており、胃腸の発達や免疫系の強化を助けるはたらきがある。

2人の子どもの母親であるデブリートが、注目の動画に「#liquidgold(黄金の液体)」というハッシュタグをつけたのも、この理由からだ。

ウェイトリフターが注目

彼女の動画には数百件のコメントが寄せられており、その多くは、どうやったら同じように母乳を売って稼げるのか助言を求める内容だ。

あるユーザーは「彼女がどうやって売ったのか言ったら、誰か私に知らせて」と投稿。別のユーザーは「おもしろい。子どもが生まれた後、どうやってお金を工面していこうかと思っていたところ」と書き込んだ。

母乳を売って金儲けをするよりも、母乳バンクに寄付する方を選んだというユーザーも複数いた。「私は母乳を無料でバンクに寄付した」とあるユーザーはコメントし、別のユーザーは「私は15リットルを寄付した。売ればお金になっただろうけど」と書き込んだ。

母乳にとりわけ熱い視線を注ぐのが、ウェイトリフティング業界だ。アスリートの健康サポートを行うプレシジョン・ニュートリションのスポーツ栄養士であるブライアン・サンピエールは、メンズヘルス誌に「筋肉増強のために母乳を飲むという発想は、カロリーと栄養価がとても高いところから来ていると思う」と語った。「母乳は人間の赤ちゃんを急いで発育させるようにできている。だから大人にも同じような効果をもたらすと考えたのではないか」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税の影響で

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任へ=関係筋

ビジネス

物言う株主サード・ポイント、USスチール株保有 日

ビジネス

マクドナルド、世界の四半期既存店売上高が予想外の減
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中