最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナ大統領「2月16日を国民結束の日に」 ロシア侵攻の報道巡り

2022年2月15日(火)10時22分
ウクライナのゼレンスキー大統領

ロシアが16日にウクライナ侵攻を開始する可能性があると一部の欧米メディアが報じる中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、この日に国旗を掲げ、国歌を斉唱して結束を示すよう国民に求めた。キエフで撮影(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

ロシアが16日にウクライナ侵攻を開始する可能性があると一部の欧米メディアが報じる中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、この日に国旗を掲げ、国歌を斉唱して結束を示すよう国民に求めた。当局者らの説明では、攻撃の日を予測しているわけではなく、報道への懐疑的な見方を表す意図があるとのことだが、緊張は一段と高まった。

米政府当局者らは、ロシアのプーチン大統領が攻撃を命令する具体的な日について、見通しを示すつもりはないとの立場を表明。ただ、いつでも起こり得ると繰り返し警告している。

ゼレンスキー大統領は、国民へのビデオ演説で「16日が攻撃の日という話を聞いている。われわれはこの日を結束の日にする」と強調した。

「軍事行動を始める具体的な日を示すことで、われわれの恐怖心をあおろうとしている」とした上で「この日に国旗を掲げ、黄色と青のバナーを着用し、全世界にわれわれの結束を示そう」と呼び掛けた。

大統領首席補佐官の助言役であるMykhailo Podolyak氏はロイターに、大統領の対応は攻撃開始日に関する報道への皮肉も込められていると説明。「『侵攻開始』がまるでツアー日程のように報じられているので、皮肉を込めざるを得ない」と述べた。

一方、米国防総省のカービー報道官は記者団に「具体的な日に言及するつもりはないし、それは賢明ではない。(ロシアのプーチン大統領が)ほとんど、もしくは全く警告を出さずに動くことは十分あり得る」とコメントした。

同氏は先に、プーチン氏が日ごとにウクライナ国境周辺で軍部隊を増強し、軍事力を高めているという認識を示した。

米国はウクライナの首都キエフにある大使館から職員の大半を退避させている。ブリンケン国務長官は14日、「ロシア軍部隊増強の劇的な加速」を踏まえ、米大使館に残っている職員を首都キエフから西部リビウに移転させると発表した。

ロシアのラブロフ外相はこの日、プーチン大統領の質問に答える形で「即座に解決が必要な問題について際限なく交渉を続けることは容認しないと、われわれは何度も警告した」と述べた上で「多くの可能性がまだ残されている。現時点では(交渉を)継続し、構築し続けることを提案する」と語った。両氏の会話はテレビで放送された。

緊張緩和に向けた米欧の外交努力は継続しており、ドイツのショルツ首相は15日にモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談する予定。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ウクライナ危機で分断される欧州 米と連携強める英 宥和政策の独 独自外交唱える仏
・【ウクライナ侵攻軍事シナリオ】ロシア軍の破壊的ミサイルがキエフ上空も圧倒し、西側は手も足も出ない
・バイデン政権、ロシアのウクライナ侵攻準備を懸念「偽旗作戦の工作員が配置された」


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

トランプ氏復権、バイデン氏続投より債券に弱気=ビル

ワールド

ラファにイスラエル軍の空爆、パレスチナ人少なくとも

ワールド

トランプ氏がリバタリアン党大会で演説、ブーイング浴

ワールド

リトアニア大統領選決選、現職ナウセーダ氏が勝利宣言
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    胸も脚も、こんなに出して大丈夫? サウジアラビアの…

  • 9

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 10

    アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中