最新記事

ゼロコロナ政策

北京五輪参加者に忍び寄る肛門PCR強制の恐怖

China Uses Anal Tests To Detect Omicron As COVID Variant Spreads Before Winter Olympics

2022年1月20日(木)15時47分
ジョン・フェン

「感染者の隔離解除の基準を決める上で、気道からの検体採取による2回の検査で陰性を確認するほかに、肛門からの検体採取による検査での陰性確認も重要な参考データとして取り入れるべきだ」と論文は結論づけている。

中国では、デルタ株の感染が収束しつつあるとみられる一方で、これまでに約4分の1の省や地方自治体でオミクロン株の感染者が確認されている。だが北京冬季五輪の開催を2週間後に控え、1月末からは春節の大型連休も始まる北京で市中感染が確認されたことは、中国のゼロコロナ政策にとって大きな試練だ。

国家衛生健康委員会の1月19日の発表によれば、中国国内で18日に確認された新たな市中感染者は55人と、この2週間で最も少なかった。北京市では海淀区で新たに2人のオミクロン株感染が確認され(いずれも15日に感染が判明した人物の濃厚接触者)、朝陽区ではデルタ株の感染者1人が確認された。また無症状の感染者は37人確認された。

北京のオミクロン株感染者の感染源は、まだ特定されていないが、保健当局はカナダからの国際郵便物が感染源の可能性もあると指摘している(カナダ政府は猛反発)。CCTVは今週の報道の中で、海外から届いた郵便物を開封する際にはマスクと手袋を着用するよう市民に求め、また海外からの商品購入を控えるよう促した。

秋まで続く重要イベント

オミクロン株は、北京から約130キロ南東に位置する天津で感染が拡大しており、中国は感染防御態勢をさらに強化している。中国当局は、習近平国家主席の3期目続投が正式に決まる見通しの秋の共産党大会までは、厳しい規制を緩めるつもりはないようで、人口の90%近くがワクチン接種を完了しているにもかかわらず国境封鎖を続けている。

北京冬季五輪の組織委員会は17日、公衆衛生上の懸念を理由に、一般向けのチケット販売予定を取り消した。2月4日に開幕する冬季五輪では、会場での観戦は招待したグループに限定されることになる。

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億

ビジネス

米国株式市場=小幅高、利下げ期待で ネトフリの買収
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中