最新記事

LGBT

スーパーマンが来月カミングアウト、出版元が明かす

List of LGBT Superheroes Grows With Superman Coming Out as Bisexual in New Comic

2021年10月12日(火)20時28分
メーガン・ロス
スーパーマンのロゴ

おなじみスーパーマンの新シリーズで来月から、バイセクシュアルとしての恋愛が描かれる Andrea Comas-REUTERS

<勇気ある決断と称賛されるが、スーパーヒーロー界のLGBTはもはやそう珍しくない>

米出版社のDCコミックスは10月11日、11月はじめに発売予定のコミック最新刊で、「スーパーマン」新シリーズの主人公がバイセクシュアル(両性愛者)としてカミングアウトすることを明らかにした。

この主人公の名前はジョン・ケント。元祖スーパーマンのクラーク・ケントとロイス・レインの間に生まれた息子という設定だ。ジョンは、7月にDCコミックスの新シリーズ『Superman: Son of Kal-El(原題)』が始まったときに、父クラークからスーパーマンの「ヒーローマント」を受け継いでいた。そしてジョン・ケントは来月、LGBTQコミュニティに最近加わった他のスーパーヒーローたちの仲間入りをすることになったわけだ。

最近のアメリカンコミックの世界では、ヒーローのカミングアウトが増えている。コミック版バットマン『Batman: Urban Legends(原題)』では、3代目ロビンがバイセクシュアルであることを明かしているほか、DCコミックスのライバル出版社、マーベル・コミックのキャラクターであるロキも、2021年に入って出版および映像作品でこのリストに加わった。

10月11日に発表されたDCコミックスのプレスリリースは、新スーパーマンのジョンと、記者のジェイ・ナカムラとの間の恋愛模様が、11月9日発売予定の第5巻で始まると予告する。「できる限りすべての人を助けようとしてきたスーパーマンが、心身ともに燃え尽きてしまったシーンに続けて、ジェイが登場してマン・オブ・スティール(鋼の男:スーパーマンの別名)をケアする」と、リリースには書かれている。

「スーパーマンに共感できる人が増える」

同シリーズの脚本担当トム・テイラーと、作画担当のジョン・ティムスは共にプレスリリースで、新スーパーマンのアイデンティをさらに掘り下げようとする今回の決断を歓迎するコメントを寄せている。

「スーパーマンというシンボルは常に、希望、真実、正義を象徴してきた」とテイラーは記している。「そして今日、このシンボルが象徴するものがまた1つ加わった。今日、コミック界で最もパワフルなスーパーヒーローに、自分を投影できる人がさらに増えた」

DCコミックスの最高クリエイティブ責任者兼パブリッシャーのジム・リーは、新スーパーマンのキャラクターが示した展開について、シリーズの舞台である「DC多元宇宙」内のストーリー展開の「力」を示す「最高の例」だと自賛した。

「コミックではジョン・ケントが自らのアイデンティティを探求するし、テレビシリーズの『Superman & Lois(原題)』では、自らの家族の秘密を知ることになる」とリーは述べた。「この2つのテーマは、彼ら自身の世界と時間軸の中で共存し、ファンたちは両方を同時に楽しむことができる」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中