最新記事

新型コロナ変異株

コロナ感染歴がある人もワクチンを2回接種すべき?〈変異株とワクチンQ&A〉

HOW TO COPE WITH DELTA

2021年8月21日(土)18時50分
フレッド・グタール、ミーガン・ガン
新型コロナワクチン

gopixa-iStock.

<脅威が増す変異株への賢い対処法を考える。11の素朴な疑問に答えます(後編)>

※本誌8月24日号「日本人が知らない 変異株の正体」特集より

ワクチンはウイルスから身を守るのに有効ではある。しかし感染が急激に拡大すれば、ワクチンを接種していようといまいと、全ての人の感染リスクが高まる。

従来株よりもはるかに感染力が強いデルタ株の流行によって、そのリスクはさらに高まっている。

脅威が増すばかりのデルタ株に関することを中心に、よくある疑問を11点に絞って、現時点での答えを紹介する。

※前編:デルタ株は症状が違う? ワクチンの効果はいつから弱る?〈変異株とワクチンQ&A〉より続く。

◇ ◇ ◇

【7】3回目のいわゆる「ブースター接種」は全ての人が受けるべき?

現時点で専門家は、基礎疾患がなくワクチン接種を済ませた多くの人については、ブースター接種が必要とは考えていない。

公衆衛生の当局者の間には、免疫系が弱くなっている人々については、今度の冬にブースター接種が必要かもしれないという見方もある(CDCは、免疫が低下している人に対するブースター接種を8月12日に承認した)。

【8】オフィスでの仕事を再開するのは安全?

何が安全かは人によって異なる。個人の健康状態や置かれた状況、リスク耐性によって違ってくる。

感染が抑制されている地域のオフィスで、スタッフがみんなワクチンを接種していればリスクは小さい。

逆に感染流行地域にあるオフィスで、職員の多くがワクチン未接種なら、リスクは何倍にも高まりかねない。

ワクチンを接種していない人のリスクは、接種した人より確実に高い。

また免疫障害がある人や、自宅で重症化リスクの高い人を介護している人は、ウイルスに接する機会を可能な限り減らしたほうがいい。

「密」の状況や換気の悪い部屋を避け、屋内ではマスクを着用すべきだ。

デルタ株は感染力が極めて高いので、感染が拡大している地域では屋内で常にマスクを着用することを、CDCは推奨している。

【9】デルタ株が流行していることを考えると、レストランで外食したり、スポーツ観戦やコンサートに出掛けたり、飛行機に乗るといった活動の再開は考え直すべき?

大半のワクチンは優れた保護効果を保っている。

しかしウイルスにさらされる機会が増えれば、当然ながらリスクも増える。そして感染力が強いデルタ株は、あらゆる活動についてリスクを引き上げている。

リスク耐性は人によって異なるが、一般に大量のウイルスに触れる可能性が高い状況には気を付けたほうがいい。

混雑したバーは、スペースをゆったり使った換気のいいレストランに比べてリスクが高い。

飛行機は換気が優れているが、隣の席の人がマスクを着用していなかったり、ワクチン接種を受けていなかったりする可能性は想定すべきだ。心配ならマスクを着用しよう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

林官房長官が政策発表、1%程度の実質賃金上昇定着な

ビジネス

アングル:FRB「完全なギアチェンジ」と市場は見な

ビジネス

野村、年内あと2回の米利下げ予想 FOMC受け10

ビジネス

GLP-1薬で米国の死亡率最大6.4%低下も=スイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中