最新記事

セクハラ

クオモNY知事が辞意表明 州司法当局によるセクハラ認定で引責

2021年8月11日(水)10時08分
ニューヨーク州のクオモ知事

ニューヨーク州のクオモ知事(63)が10日、辞意を表明した。写真はクオモ知事(2021年 ロイター/Caitlin Ochs)

ニューヨーク州のクオモ知事(63)が10日、辞意を表明した。同州のジェームズ司法長官は今月3日、クオモ氏による11人の女性に対するセクハラ行為を認定する捜査結果を発表。バイデン大統領はクオモ氏は辞任すべきとの考えを示していた。

クオモ氏は2011年に知事に就任。テレビ放映された約20分の発言の中で、いかなる過ちも犯していないと改めて否定。ただ、「愛情やユーモアの表現が誤解された」行為により女性に不快な思いをさせたことに対し「完全に責任を取る」とし、「自分自身の考えでは一線を越えたことはない。ただ、その線が引かれている場所がどれだけ変わっていたかということを認識していなかった。世代的、文化的な変化があり、私自身はそれを完全には理解していなかった」と述べた。

その上で、知事の職にありながら反論を続ければ州政府の機能が麻痺し、新型コロナウイルス感染拡大がなお大きな脅威となっている中で多額の税金が無駄に使われると判断したとし、「状況を踏まえ、私にできる最善のことは辞任することだと考えた」と述べた。

クオモ氏の辞任は14日後に発効。22年12月の任期切れまで、民主党のキャシー・ホークル副知事が後任を務める。ホークル副知事は声明で「クオモ知事の辞任の決断に賛同する。辞任は正しいことで、ニューヨーク州民の利益にかなう」と述べた。

ニューヨーク州のジェームズ司法長官は声明で、クオモ知事の辞任で「一つの章が閉じられるが、正義に向けた重要な一歩となる」との考えを示した。

ホワイトハウスのサキ報道官は、バイデン大統領はクオモ氏から辞意表明について事前に連絡を受けていなかったと表明。その後、バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に対し「クオモ氏の決断を尊重する」と述べた。

バイデン氏のほか、上院民主党トップのシューマー院内総務のほか、ペロシ下院議長ら民主党の重鎮もクオモ氏の辞任を呼び掛けていた。

クオモ氏は来年の州知事選で再選が有力とみられていたため、突然の辞任で混戦が予想される。民主党からはホークル副知事が出馬する可能性があるほか、ジェームズ司法長官の出馬も取り沙汰されている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・インド、新たな変異株「デルタプラス」確認 感染力さらに強く
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、29日に議会指導部と会談へ 予算

ワールド

トランプ米大統領、ポートランドへの派兵指示 「移民

ワールド

国連、対イラン制裁を再発動 イランは厳しい対応を警

ワールド

ロシア外相が西側に警告 「いかなる攻撃にも断固とし
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国はどこ?
  • 3
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 6
    「戻れピカチュウ!」トルコでの反体制デモで警官隊…
  • 7
    国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内を…
  • 8
    「逃げて」「吐き気が...」 キッチンで「不気味すぎ…
  • 9
    「不気味すぎる...」メキシコの海で「最恐の捕食者」…
  • 10
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中