最新記事

中東

エジプト、ガザ停戦仲介で存在感見せる 米バイデン政権との関係も前進

2021年6月1日(火)11時28分

先月、UAEの駐米大使はイスラエルとビジネスをしながら、パレスチナ問題で厳しいやり取りができると発言。一方イスラエルの駐UAE大使は26日記者団に、パレスチナとの緊張緩和でUAEをパートナーとみなすか聞かれると、判断するのは時期尚早と答えた上で、UAEは地域の紛争仲介を促進できると付け加えた。

待ちの外交

トランプ前米政権とは良好な関係にあったエジプトのシシ政権は、バイデン氏が米大統領に就任するとしばらく米国と「音信不通」が続いたが、イスラエル・パレスチナの停戦仲介活動を通じて首脳間の連絡が復活。バイデン氏とシシ氏は5日間で2回、話し合いを行った。

ただイスラエルとパレスチナの本格的な和平プロセスを欠いていることで、この問題を巡る米国とエジプトの結びつきも限られた範囲にとどまるとみられている。

元エジプト外相のナビル・ファーミー氏は「現在の枠組みは紛争解決ではなく、単に対立を制御するという側面がほとんどだ。真面目な和平プロセスの問題が全く存在しない」と述べた。

米国から約13億ドル(約1400億円)の軍事支援を受けているエジプトは、人権保護の面で米民主党から厳しい批判にも直面している。ブリンケン米国務長官は24日の週にカイロを訪問した後、人権問題は依然として大きな懸案事項だとの見方を示した。

それでも米シンクタンク、ミドル・イースト・インスティテュートのハフサ・ハラワ客員研究員は、エジプトは対米関係の障害をじっとしてやり過ごす「待ちの外交」を学んでおり、現実的にガザの停戦で自らの重要性を証明したことにより人権問題で息をつける余地を確保したと強調した。

(Aidan Lewis記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・パレスチナの理解と解決に必要な「現状認識」...2つの国家論は欺瞞だ
・イスラエル空爆によるガザ地区の死者は、ハマスのロケット弾攻撃による過去25年間の死者を上回る


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 9
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中