最新記事

感染症対策

米CDC「ワクチン接種完了なら大半の場所でマスク不要に」

2021年5月14日(金)09時31分

米疾病対策センター(CDC)は13日、新型コロナウイルスを巡る指針を改定し、ワクチン接種を完了した人は屋外および屋内の大半の場所で、マスクの着用は不要との認識を示した。写真はCDCのワレンスキー所長。3月18日撮影(2021年 ロイター/Susan Walsh)

米疾病対策センター(CDC)は13日、新型コロナウイルスを巡る指針を改定し、ワクチン接種を完了した人は屋外および屋内の大半の場所で、マスクの着用は不要と定めた。

ソーシャルディスタンシング(社会的距離)についても、大半の場所で維持する必要はないとした。

一方、航空機や電車、空港や駅、病院などの屋内では、ワクチン接種を完了していても引き続きマスクの着用を推奨した。

CDCのワレンスキー所長は制限緩和について、新規感染者数の大幅減や、ワクチン接種対象年齢の12─15歳への拡大を理由に挙げた。

CDCは4月下旬に行った前回の指針改定で、ワクチン接種完了者に対し多くの制限を引き続き課したため、慎重過ぎるとの批判の声が上がっていた。コロナ前の日常生活に戻れるという点で、ワクチン接種のメリットがより明確になる必要があるとの指摘があった。

米国ではトランプ前大統領がマスク着用義務化に反対したことなどから、マスクが政治問題化し、州によって対応も分かれている。

バイデン大統領はこの日、ホワイトハウスでマスクを着用せずに発言。「重要な節目で、素晴らしい日だ」と強調し、マスクを外せるようになれば、米国人は再び笑顔で挨拶できるようになると述べて笑みを浮かべた。

CDCは発表文で「過去数週間に確認した追加データは、ワクチンが実社会で効果があり、変異株にも効力を発揮し、接種完了者が他人にウイルスを感染させる可能性が低いことを示した」と説明した。

バンダービルト医科大学の感染症専門家、ウィリアム・シャフナー氏は、新たな指針は多くの人が望んでいた内容だとコメント。「州保健当局や感染症専門医はワクチンの効果の高さに感心しており、接種者に褒美が必要とも感じていたため、このような指針の必要性を訴えてきた」とした。

一方、小売業リーダーズ協会(RILA)は、CDCの指針は州・地方政府の命令と一致していないため、曖昧さが残ると指摘。

米スーパーマーケットチェーンのクローガーは、現時点でマスク着用を引き続き義務付けると表明。

米ディスカウント店のターゲットはCDCの指針を精査する間、全店舗でマスク着用やソーシャルディスタンスなどの安全策を引き続き講じるとした。

新たな指針はまた、ワクチン接種済みの米国人は全ての旅行を再開できるとし、海外旅行後の隔離も必要ないと定めた。さらに、無症状の感染者と接触しても新型コロナ検査の必要はないとした。

ただ、海外渡航については、カナダへの不要不急の渡航などが引き続き制限されている。

CDCは、ワクチン接種が完了していても、連邦法や州法、地域の法律でマスク着用が義務化されている場合は従う必要があるとし、事業所などのルールも順守するよう求めた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:3月米CPI急上昇、FRBに問われる利上

ワールド

英首相、ホルムズ海峡封鎖を支持せず 「完全開放に全

ワールド

独連立政権、消費者・企業向け燃料高騰対策発表 19

ワールド

防衛装備「5類型」撤廃、自民が政府方針を了承 月内
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 2
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 5
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目の…
  • 10
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中