最新記事

仮想通貨

大口投資家がビットコインの買い占めに走り、個人投資家には「サトシ」しか残らない?

As Institutions Gobble Up Bitcoins, Individual Investors Left with Satoshi

2021年2月26日(金)17時40分
スコット・リーブス

ソフトウェア企業のマイクロストラテジーは、長期投資戦略の一環としてビットコインの保有高を増やしたことを明らかにしており、フィンテック企業のスクエアも保有高を増やしている。

あるアナリストの推定によれば、電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOはビットコインへの投資で既に約10億ドルの利益を手にしており、このままいけば、テスラがビットコイン投資で得る利益は、2020年の同社の電気自動車売り上げを上回る見通しだ。

機関投資家向けのビットコイン投資ファンド「グレイスケール・ビットコイン・トラスト」は、投資家がビットコインの現物を保有せずに投資できる仕組みを提供している。シカゴ・マーカンタイル取引所も、ビットコインの価格情報を提供するよういになっている。資産運用大手のバンク・オブ・ニューヨーク・メロンは、大手機関投資家を対象にビットコインの資産管理サービスを開始すると発表した。いずれの動きも、ビットコインがウォール街で受け入れられつつあることを反映している。

ビットコイン取引の今後は

機関投資家がビットコインを長期保有するようになれば、通貨としての機能は失われるのだろうか。そうはならないだろう、とディーンは言う。

「ビットコインは元来、通貨として設計されたものだ」「確かに現在は、金のような長期的な『価値の保管場所』としてのビットコインに光が当たっている。だがクレジットカードや電子マネーでの取り扱いが始まれば、いずれ決済手段としてのビットコインの能力が発揮されてくるだろう。つまり『すぐに使える金』、『流動性のある金』になる」

ビットコインは前例のない通貨だ。「人類にとって、これほどまでに汎用性の高い通貨制度は初めてだ」と彼は述べた。

仮想通貨市場で大口投資家の重要性が高まれば個人投資家は締め出されるのではないか、という懸念をディーンは否定する。

「入手可能な量は減るかもしれないが、ビットコインの入手可能性は理論上、常に需要と供給の法則によって決まるはずだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任し国連大使に指

ワールド

米との鉱物協定「真に対等」、ウクライナ早期批准=ゼ

ワールド

インド外相「カシミール襲撃犯に裁きを」、米国務長官

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官を国連大使に指名
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中