最新記事

新型コロナウイルス

アメリカのコロナ感染拡大はピークを超えた?

COVID Cases Fell in Donald Trump's Last Week as President. Here's the Sad Reason Why

2021年1月27日(水)17時10分
カシュミラ・ガンダー

ニューヨーク市ブロンクスの救急センターで、PCR検査を受けるために並ぶ人々(1月6日)David 'Dee' Delgado -REUTERS

<この1週間、アメリカの感染者数や死亡者数は減少したが、まだホリデーシーズンの前に戻っただけ。これからが正念場だ>

ここ数カ月、アメリカでは新型コロナウイルスの感染、入院、死亡件数が記録を更新し続けてきたが、実はドナルド・トランプが大統領任期を終える週に新規感染者数は少しだけ減少した。

これがジョー・バイデン大統領の手柄でないことは確かであり、すぐに増加に転じる可能性もある、と専門家らは口をそろえて本誌に語った。

COVID(新型コロナウイルス感染症)追跡プロジェクトによると、1月14日以降の7日間に、週単位の新規感染者数は20%減少した。11月中旬以来、休日の入らない週としては、新規陽性者が最も少なかった。

一方、16週連続で上昇していた週の入院件数の平均値も、4%減少した。だが死亡者数は依然として高いままだった。同じ週の死亡者は約2万1301人で、パンデミックが始まって以来2番目に多かった。

1月26日の最新データでは、新規感染者数と入院件数が減少しており、COVID追跡プロジェクトは「希望に満ちた兆候」だと評した。

COVID追跡プロジェクトチームは22日にこう報告した。「感染拡大が最悪の状態にある州でさえ、新規感染、入院、死亡の割合が減少する兆候が見えている。ただし一部地域ではいまだに、新規感染と入院件数は非常に多く、死亡率もすさまじく高い」

現在のところワクチン接種は遅々として進まず、アメリカの新型コロナウイルスの感染者と死亡者数は、世界で最も多い。これまでに感染者は2520万人以上、死者は42万1000人以上と報告されている。

年末イベントの影響か

専門家によれば、今回の減少は感謝祭から年末年始にかけてのホリデーシーズン中に米疾病対策センター(CDC)のアドバイスに逆らって、旅行や大人数の集まりに参加した人々が引き起こした感染爆発の反動である可能性が高い。

ホリデーシーズン中の危険な行動が、その後の感染爆発につながった、とジョージ・メイソン大学のアミラ・ローズ教授(グローバルヘルスと疫学)は語る。

多くの専門家は、年末年始の休暇の約3週間後に感染者数は減るよりもむしろ最高に達すると予測していた。COVID 追跡プロジェクトのデータはそれを反映している。

オックスフォード大学のジェニファー・ダウド准教授(人口統計学と公衆衛生)は以前、数週間以内にワクチンを受けることができるかもしれないのに、人々がこのホリデーシーズン中に集まる危険を冒し、家族を失うとしたら、「悲劇的」で「心が痛む」と本誌に語っていた。

ボストン大学医学部のジョシュア・バロカス助教授によれば、アメリカの感染状況は「峠を越えた」と言うには時期尚早であり、感染者数がピークを過ぎて今後は持続的に減少するのか、それとも再び増加するかを判断することはできない。

「大規模なワクチン接種が実施されるまで、新規感染者数は上下すると思う。数週間は増加し、数週は減少する、というふうに」と、バロカスは言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ平和評議会、資金不足報道否定 「要請全額満たさ

ワールド

情報BOX:米とイラン和平交渉、知っておくべき主な

ワールド

米とイランの交渉団がパキスタン入り、レバノン停戦な

ワールド

イラン最高指導者、顔と足の負傷回復途上 主要問題の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中