最新記事

感染症対策

米CDC、新型コロナワクチンのアレルギー反応を注意深く監視 インフルワクチンに比べ10倍

2021年1月7日(木)10時27分

米疾病対策センター(CDC)は6日、米ファイザーおよびモデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンによるアレルギー反応を注意深く監視しているとした上で、深刻なアレルギー反応を示した人に対し、2回目の接種を行わないよう要請した。アトランタで2014年9月撮影(2021年 ロイター/Tami Chappell)

米疾病対策センター(CDC)は6日、米ファイザーおよびモデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンによるアレルギー反応を注意深く監視しているとした上で、深刻なアレルギー反応を示した人に対し、2回目の接種を行わないよう要請した。

記者団との電話会議で、新型コロナワクチンによるアレルギー反応は接種100万回当たり11.1件だったと発表。一方、インフルエンザワクチンのアレルギー反応は接種100万回当たり1.3件という。

CDCは、深刻なアレルギー反応は「非常にまれ」とし、ワクチン接種の必要性を強調。ワクチン接種によるアレルギー反応を注意深く監視しているとし、ウェブサイトに毎週情報を公開するとした。

またワクチン接種場所では、アナフィラキシーなど深刻なアレルギー反応に備えるだけではなく、その対応法や病院での追加処置が必要かどうかの判断を行えるようにすべきとした。

CDC当局者によると、ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンを接種した後に深刻なアレルギー反応を示したのは28人。モデルナ製ワクチン接種後に呼吸困難などを引き起こし得るアナフィラキシー反応が確認されたのは1人という。

アレルギー反応の件数の違いは主にファイザー製ワクチンの承認がモデルナ製ワクチンよりも早かったためとし、双方のワクチンに注意が必要とした。

この日発表された調査によると、12月14日─23日に行われたファイザー製ワクチンの接種は189万3360回に上り、そのうちアナフィラキシー反応が確認されたのは21件。このうち71%がワクチン接種後15分以内に発症したという。

英国の医薬品規制当局は、アナフィラキシーの既往歴がある人や医薬品または食料品に深刻なアレルギー反応を示す人はファイザー製ワクチンを接種すべきではないとしている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ドイツ、イスラエルへの武器輸出停止を解除へ 停戦順

ビジネス

アマゾン、3年ぶり米ドル建て社債発行 150億ドル

ビジネス

ベゾス氏、製造業・航空宇宙向けAI開発新興企業の共

ワールド

米FEMA局長代行が退任、在職わずか6カ月 災害対
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中