最新記事

欧州テロ

フランスの次はオーストリア──相次ぐイスラム過激派テロに身構える欧州

U.K. Terror Threat Level Rises to 'Severe' After Austria and France Attacks

2020年11月4日(水)17時45分
ゾーイ・ドリューエット

オーストリアの警察は3日、ウィーンで起きた一連の銃撃事件の容疑で14人を逮捕した。銃撃の実行犯の1人は現場で射殺された。男は2019年12月に刑務所から釈放された20歳の「イスラム過激派のテロリスト」だったと、オーストリアのカール・ネハンマー内相は語った。

テロの実行犯を探す捜査は今も進行中だが、当局は警察に射殺された銃撃犯は単独で行動していた可能性があると考えている。一部の目撃者は、複数の銃撃犯を見たと話しており、警察は事件の具体的な状況を解明するために、スマートフォンで撮影された動画約2万本を検証している。

フランスでこのところ頻発しているテロ攻撃には、単独で行動する一匹オオカミのイスラム過激派が関わっている。パリ近郊の学校の外で歴史教師だったパティの首を切ったチェチェンの若者は、その後警察に射殺された。この事件を機にフランス政府が新たにイスラム過激派の取り締まりを強化すると、チュニジア人男性がニースのノートルダム寺院で3人を刺殺する事件が起きた。

各国首脳らはウィーンの銃乱射事件を強く非難している。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ヨーロッパは攻撃にさらされても、決して「あきらめてはいけない」と語った。イギリスのボリス・ジョンソン首相は「恐ろしい攻撃に深いショックを受けた」と述べた。この事件に関して、イギリスは「できる限りの方法で支援する準備ができている」と、パテルは表明した。

ニューズウィーク日本版 ハーバードが学ぶ日本企業
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月30日号(9月24日発売)は「ハーバードが学ぶ日本企業」特集。トヨタ、楽天、総合商社、虎屋……名門経営大学院が日本企業を重視する理由

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米インテル、台湾TSMCに接近 出資や提携模索=報

ワールド

トランプ氏、ヨルダン川西岸「併合許さず」 イスラエ

ビジネス

マイクロソフト、イスラエル国防省向けクラウドサービ

ワールド

欧州のロシア産天然ガス購入削減、戦闘終結に「即効性
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 5
    iPhone17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Ap…
  • 6
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 7
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 8
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中