最新記事

感染第3波

東京都、19日の新型コロナ新規感染534人 小池知事「最大の感染経路は家庭」

2020年11月19日(木)21時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

東京都はモニタリング会議で、新型コロナウイルス感染状況のレベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げた。写真は都内で2月撮影(2020年 ロイター/Athit Perawongmetha

東京都は19日、都内で新たに534人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。

前日の493人に続いて2日連続で過去最多を更新しており感染拡大に歯止めがかからない状態だ。

この日確認された陽性者のうち、10歳未満が5人、20代と30代が240人、40代と50代が176人、60代以上が86人となっている。また感染経路が不明な人は318人で約60%にのぼっている。

都はこの日、感染状況についてのモニタリング会議を開き、専門家から「新規陽性者数と接触歴等不明者数は大幅に増加しており、急速な感染拡大の局面を迎えた。特に、重症化リスクの高い高齢者の新規陽性者数が増加しており、高齢者への感染の機会を、あらゆる場面で減らすことが必要である」との提言を受けて、都内の感染状況を4段階のうち最も高い警戒レベル「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。

また、医療提供体制については、上から2番目の警戒レベル「体制強化が必要であると思われる」を維持したが、「入院が必要な患者の急増に対応でき る病床の確保が急務である。 重症患者数の増加が続けば、予定手 術等の制限をせざるを得なくなり、 通常医療の維持と重症患者のための 病床の確保との両立が困難になる」との提言を受け、重症患者用の病床を現在の150床から2倍の300床を視野に入れて確保することを決めた。

小池都知事はモニタリング会議後に臨時の記者会見を行い「1日の新規陽性者数が非常に高い水準で推移し、特に重症化リスクの高い高齢者の新規陽性者数が増加している。8月以降、最大の感染経路は家庭内で、会食の場などで感染した方が家庭に持ち込んだと思われる事例が報告されている。特に高齢の家族がいる場合、家庭内にウイルスを持ち込まないことを強く意識するようお願いしたい」と語り、感染対策の徹底をあらためて呼びかけた。

一方で、これまで感染状況が悪化した際に行ってきた飲食店に対する時短営業の要請を行わない理由については、「感染の確認が増えているが重症者が増えていないという状況の中で最も効率的なことは何かということを専門家の意見をベースに検討した。年末に向けてさまざまな会合があるなかで会食や家庭内の対応を改めて皆さんの行動変容をお願いしたところだ」と述べた。

北海道、大阪、千葉、愛知、兵庫などでも過去最多の感染者

また、19日は東京都以外にも大阪府338人、北海道267人、愛知219人、兵庫132人、千葉106人と、各地で過去最多の新規陽性者が確認され、日本全国では2377人となり、新型コロナウイルスの感染第3波が深刻な状況になっていることを示した。


東京都・新型コロナウイルス陽性患者数


 

東京都・新型コロナウイルス陽性患者数・累計

 


感染者の現在の状況


*チャーター機帰国者、クルーズ船乗客等は含まれていない
*「重症」は、集中治療室(ICU)等での管理又は人工呼吸器管理が必要な患者数を計上
*退院者数の把握には一定の期間を要しており、確認次第数値を更新している
 

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局

ワールド

ポーランドの2つの空港が一時閉鎖、ロシアのウクライ

ワールド

タイとカンボジアが停戦に合意=カンボジア国防省
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中