最新記事

女性差別

対話集会でトランプを追い詰めた女性アンカーに敵対的性差別主義者が激怒

Savannah Guthrie 'B****' Google Searches Surge Follow Trump Town Hall

2020年10月20日(火)17時20分
カシュミラ・ガンダー

トランプを追い詰めて支持者の怒りを買ったらしいガスリー NBC News/YOUTUBE

<トランプを厳しく追及した女性ジャーナリストを「メスブタ」や「売女」呼ばわりした敵対的性差別主義が、トランプ支持層の一角を成している>

10月15日に行われたドナルド・トランプ米大統領の対話集会では、NBCの女性アンカー、サバンナ・ガスリーが進行役を務め、厳しい質問でトランプを追い詰めた。最初の討論会がトランプの妨害で「史上最低」に終わっただけに、ガスリーの勇気と頭の良さに視聴者は喝采を浴びせた。だが同時に、ガスリーに腹を立てた人々もいた。対話集会の放送後、グーグルでは「ガスリー、メスブタ」などという組み合わせの検索が急増。ツイッター上でもガスリーを「売女」などと称するコメントが飛び交った。

対話集会の中でガスリーは、トランプのコロナ軽視の他、ウサマ・ビンラディンの殺害は嘘だったという根拠のない陰謀論をトランプがリツイートしたことや所得税を納めていなかったと報じられたこと、陰謀論を信じる「Qアノン」が流布している「トランプは邪悪な集団から世界を救うために闘っている」とする説の真偽などについて厳しく追及した。


いまだに女性を「モノ」扱い

このガスリーのやり方に怒りを覚えた一部の視聴者は、侮蔑的な「bitch」という言葉を使い、ツイッター上で不満をぶちまけた。検索サイトのグーグルでも、ガスリーの名前と「bitch」「cunt」などの蔑称を組み合わせた検索が急増。これらの検索ワードが一時トレンド入りした。

こうした侮辱は、男性には当てはあらない。民主党の副大統領候補、ジョー・バイデンの対話集会の進行役を務めたABCのジョージ・ステファノポロスの場合、多くグーグル検索されたのは彼の支持政党だった。。9月29日に行われたトランプとバイデンの「最低の」討論会の進行役を務めたFOXニュースのクリス・ウォレスの場合は、トランプを制御できないことに対する批判的な検索語が多かったものの、「クリス・ウォレスは最悪」「クビにしろ」などがせいぜいで、ガスリーに対するものほど暴力的な言葉は使われなかった。

10月7日に行われたカマラ・ハリス(民主党)とマイク・ペンス(共和党)の副大統領候補同士の討論会の後も、同じようなパターンがみられた。ハリスには「ヌード」など「モノ」として見るような検索語が多く使われた。ペンスについては、頭に止まったハエのほかは、財産の多寡や政治家としての実績に関連した検索が上位を占めた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米移民の「聖域」でなくなった教会、拘束恐

ワールド

トランプ氏、NATOにロシア産原油購入停止要求 対

ワールド

中国が首脳会談要請、貿易・麻薬巡る隔たりで米は未回

ワールド

アングル:インドでリアルマネーゲーム規制、ユーザー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中