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感染第2波

欧州、8日のコロナ新規感染が過去最多10万人突破 英・ロシアなどで急増

2020年10月10日(土)12時26分

欧州の新型コロナウイルス新規感染者数が8日に初めて10万人を突破したことが分かった。ロシアや英国では今週に入って感染者の急増が続いている。写真は7月18日、ロンドンで(2020年 ロイター/Simon Dawson)

欧州の新型コロナウイルス新規感染者数が8日、初めて10万人を突破した。ロシアや英国では今週に入って感染者の急増が続いている。

感染が最も増えているのは英国、ロシア、スペイン、フランスで、過去3日間にそれぞれ少なくとも1万人を超える感染者が確認された。

ロシアは9日、新たな感染者が最多の1万2126人を記録した。当局は国民に今週末の外出自粛を呼び掛けているが、ロックダウン(都市封鎖)はされておらず、新たに実施する計画もないという。ただ報道によると、首都モスクワはバーやナイトクラブの閉鎖を検討している。

英国では、1日平均のコロナ新規感染者数がこの1週間で倍増したことが8日発表の調査で分かった。英国立統計局(ONS)によると、10月1日までの1週間の新規感染者は1日当たり1万7200人で、前週の8400人の2倍超。他の調査では1日最大4万5000人の感染者が出る可能性が指摘された。

ジョンソン首相はコロナ感染第2波抑制に地域ごとの対策を求めており、全国的なロックダウンを回避したい考えだが、政府の非常時科学諮問委員会メンバーは「3月に直面した選択に戻っている。感染スピードに遅れて対応すべきではない」と、政府に対応を迫った。

欧州の感染者数は世界全体の16%余りで、死者は約22%を占める。東欧では8日の感染者数が3万3600人となった。ウクライナ、ロシア、チェコなど10カ国のうち8カ国で感染数が増加した。

イタリア保健当局は9日、過去24時間の感染者数が5372人に上ったと発表。1日で5000人を超えたのは3月以来。

スペイン政府は9日、新型コロナ感染が再拡大する首都のあるマドリード自治州に非常事態を宣言した。

コロナ感染第2波襲を踏まえ、マドリード当局は先週、不要不急のマドリード首都圏内外の往来を禁止。しかし、州裁判所が政府の越権行為として施行を認めない判断を下したことから、中央政府が移動制限の実施に向け非常事態宣言に踏み切った。

移動制限は即日施行され、政府は警官を7000人増強して制限順守の徹底を目指す。

フランスも8日、過去最高水準の感染者1万8000人を2日連続で記録。病院は緊急体制を敷き、大都市では感染抑制に施設を閉鎖するなどしている。

ベルギーも感染再拡大を受けて、集会の制限を強化。新規感染者は10月初め以来2.6倍を超えた。

欧州全体では、10月に入ってからの新規感染者は1日平均約78000人と、9月の4万7500人を大幅に上回っている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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