最新記事

感染第2波

欧州、コロナ第2波襲来 マドリード封鎖、パリも週明けにも警戒最高レベルへ

2020年10月2日(金)10時17分

欧州に新型コロナウイルス感染の第2波が広がる中、スペインの首都マドリードではウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)措置が数日中に再導入されることになった。マドリードで1日撮影(2020年 ロイター/SERGIO PEREZ)

欧州に新型コロナウイルス感染の第2波が広がる中、スペインの首都マドリードではウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)措置が数日中に再導入されることになった。

中央政府は前日、不要不急のマドリード首都圏内外の往来を禁止する措置を導入すると発表。マドリード自治州政府は1日、ロックダウン再導入に異論を唱えつつも、応じる構えを示した。

欧州諸国の首都でのロックダウン再導入は初めて。マドリードの人口は300万人超。

通勤や通学、通院、買い物などは許される。レストランとバーの営業は午後11時までに制限される。公園や子どもの遊び場の閉鎖は当面実施されない見通し。

スペインの新型コロナ感染者数は累計76万9000人強と、西欧では最多。うちマドリードの感染者数は全国水準の倍となっている。

フランスのベラン保健相はこの日、過去24時間にパリ首都圏の感染者数が10万人中250人を突破したとし、早ければ週明け5日にパリ首都圏のコロナ警戒レベルを最高レベルに引き上げる見通しを明らかにした。実施されれば、レストランやバーなどは営業停止となる公算が大きい。

同相はまた、パリに先立ち新たな制限措置が導入されたボルドー、ニース、マルセーユでは感染状況が改善しつつある兆候が見られるとした。

ロシアでは、モスクワのソビャニン市長が雇用主に対し、少なくとも30%の従業員を在宅勤務にするよう要請した。モスクワで1日当たりの新規感染者数が約2000人に達していることを受けた措置。週明け5日から実施する。

年齢65歳以上や持病を持つ従業員に対しても在宅勤務にするよう指示した。

ソビャニン市長はまた、モスクワ市内の病院でコロナ感染症による入院者数が週当たり約5000人のペースで増加しているほか、子どもの感染者が増加していることを指摘した。

スウェーデンではこの日、新規感染者数が752人と6月30以来の水準になった。保健当局者は感染者数の増加について、若年層が多く、職場での感染に起因しているとした。さらに、首都ストックホルムでの感染者が大部分を占めるという。

同国ではロックダウン措置を実施せず、マスク着用にも消極的なスタンスを示しているが、スペインやフランスなど感染状況が深刻な他の欧州諸国のように感染者数は急増していない。一方、この日のコロナ感染症による死者はゼロだった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中