最新記事

日本政治

政府デジタル改革会議、強力な司令塔のデジタル庁設置へ マイナンバーの各種免許・資格とひも付けから

2020年9月23日(水)17時33分

政府は23日午前、デジタル改革閣僚会議の初会合を開催し、従来とは一線を画した強い組織を立ち上げる方針を示した。写真は平井卓也デジタル改革担当相。16日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

政府は23日午前、デジタル改革閣僚会議の初会合を開催し、従来とは一線を画した強い組織を立ち上げる方針を示した。優先課題として、菅義偉首相が官房長官時代から取り組みを推進してきたマイナンバーと各種免許や国家資格との一体化や、給付金振り込みの早期実現に向けた預貯金口座とのひも付けの在り方などに取り組む。

菅首相は会議で、平井卓也デジタル改革担当相が中心となって取り組み、壁を突破してほしいとし、各閣僚に対しこの大きな改革に全力での協力を要請した。

また加藤官房長官はその後の記者会見で、デジタル化の利便性を実感できる社会を作るため、新たに創設するデジタル庁は強力な司令塔機能を有し、能力の高い人材を集め、年末には基本方針を定め次の通常国会に法案を提出、さらにIT基本法の抜本改正も行う予定だと説明した。

会議では、新型コロナウイルス感染症により浮き彫りとなったデジタル化への課題について、オンライン手続きの遅れや押印でテレワークが阻害されることなどさまざまな問題が挙げられた。

その上でデジタル庁ができるのを待たず、喫緊の取り組むべき事項として以下の点が挙げられた。

特にマイナンバーの活用については優先課題として取り組むほか、給付金手続きなどで混乱が再び起こらないよう、オンライン申請などの改善には至急取り組む必要性があることが確認された。

ーマイナンバーカードのさらなる活用として、各種免許・国家資格との一体化について検討

ー迅速な給付金の実現のため、デジタル手続き、事務処理、早期給付の実現や、抗菌振り込み口座の設定を含め預貯金口座とマイナンバーのひも付けの在り方

ーコロナ禍での臨時措置措置の定着・拡充として、テレワーク、学校、医療などのオンライン化

ー国と地方を通じたデジタル基盤の構築

ー国と地方、地域で異なる情報システムの標準化・共通化やクラウド活用の促進

(中川泉)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・なぜ日本は「昭和」のままなのか 遅すぎた菅義偉首相の「デジタル化」大号令
・ビルボードHOT100首位獲得したBTS、韓国政府は兵役免除させるのか


20200929issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月29日号(9月23日発売)は「コロナで世界に貢献した グッドカンパニー50」特集。利益も上げる世界と日本の「良き企業」50社。PLUS 進撃のBTS

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

デンマーク、女性も徴兵対象に 安全保障懸念高まり防

ワールド

米上院可決の税制・歳出法案は再生エネに逆風、消費者

ワールド

HSBC、来年までの金価格予想引き上げ リスク増と

ビジネス

焦点:税収増も給付財源得られず、頼みは「土台増」 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中