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ベラルーシ反政権派のチハノフスカヤ氏「国連に監視団派遣を要請」

2020年9月5日(土)11時48分

ベラルーシ大統領選の反政権派の候補だったスベトラーナ・チハノフスカヤ氏は、国連安全保障理事会に対し、ベラルーシに国際監視団を派遣するよう要請した。写真はチハノフスカヤ氏(2020年 ロイター/Ints Kalnins)

ベラルーシ大統領選の反政権派の候補だったスベトラーナ・チハノフスカヤ氏は4日、国連安全保障理事会に対し、ベラルーシに国際監視団を派遣するよう要請した。

チハノフスカヤ氏は出国先のリトアニアからテレビ会議方式で安保理会合に参加。8月の大統領選で6選を決めたルカシェンコ氏による反政権派に対する弾圧を非難するよう求めると同時に、国連人権理事会はベラルーシの人権を巡る特別会合を開く必要があるとの考えを示した。また国際社会に対し、ベラルーシにおける選挙違反と「人道に対する犯罪」に関与した人物に対する制裁措置を導入するよう呼び掛けた。

チハノフスカヤ氏がベラルーシ問題に対する国際的な関与を呼び掛けるのは今回が初めて。「ベラルーシ国民はあからさまな人権侵害と人間に対する尊重の欠如に対抗するために、国連の支援を必要としている」とし、「国連に対し、ベラルーシ治安当局による反政権デモ参加者に対する過度な武力行使を非難するよう要請する」と述べた。

その上で「ベラルーシで起きていることを記録するために、国連に国際調査団の派遣を要請する」と語った。

これに対し、ロシアのポリャンスキー国連次席大使は「ベラルーシ情勢を国際問題化することで、事態の悪化を招く恐れがある」と述べ、ベラルーシの国内問題への関与に反対を表明。中国も反対した。

ベラルーシに対しては、リトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国が8月31日、ルカシェンコ大統領と29人の当局者に対し渡航を禁止する制裁措置を発動させた。

関係筋によると、欧州連合(EU)は9月21日に開く外相会合に向け、渡航禁止と資産凍結の対象とする人物の選定作業を進めている。米国務省当局者によると、米政府も制裁措置の導入を検討している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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