最新記事

エンターテインメント

韓国、『愛の不時着』を破り今年上半期もっともヒットしたドラマは?

2020年8月17日(月)17時35分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

newsweek_20200817_170910.jpg

『愛の不時着』制作発表でのヒョンビンとソン・イェジン。ソン・イェジンは8月末に日本向けオンラインファンミーティングも行うほどの人気となっている。 뉴스킹 / YouTube

『愛の不時着』は視聴者数で3位

まずは視聴者数ランキング・ベスト3。第3位は、言わずと知れた人気ドラマ『愛の不時着』(視聴者数:333万4033名)だ。ネットフリックスの配信によって、韓国のみならず世界中で大ヒットした。韓国から竜巻によって北朝鮮に不時着してしまった財閥の令嬢と、北朝鮮軍将校との恋愛模様を描くという、分断国家ならではの設定が興味深い。シナリオ準備段階から多くの脱北者たちに取材したとあって、ベールに包まれた北朝鮮の生活が垣間見られるのも魅力の一つである。韓国ドラマがどうも苦手だった筆者も、北と南では違う単語の使い方などが面白く、一気に視聴してしまった。

視聴者数第2位は、社会的ブームにもなった『夫婦の世界』(視聴者数:335万2475名)だ。非地上波ドラマ歴代最高視聴率を更新するなど、大きな話題となった作品で、英BBCの大人気ドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』の韓国リメイク版である。簡単に言うと韓国語で"マクチャンドラマ"と呼ばれる、夫に不倫された女性の復讐劇なのだが、目が離せないストーリー展開とヨーロッパ映画のような映像が話題になった。演出の過激さから途中数話には18歳以上観覧可能のR指定が付けられたほどだ。

newsweek_20200817_170905.jpg

キム・ヒエが主演し、スキャンダラスな内容と従来の韓国ドラマとは一線を画す映像で今年前半話題を呼んだ『夫婦の世界』 뉴스킹 / YouTube

大ヒット医療ドラマ、4年ぶりの続編が1位

そして、栄えある視聴者数第1位は、『浪漫ドクター キム・サブ2』(視聴者数:344万6716名)だ。タイトルに2と付いているのを見てわかるように、前作『浪漫ドクター キム・サブ』の続編であり、前作から3年ぶりにスタッフ・キャスト再結成で制作された。ドラマの続編が作られるのは、韓国では珍しいが、それだけ人気を博していた証拠である。

変わり者だが天才肌の外科医と、その周囲の人々を描いた本格的医療ドラマで、映画でもすっかりおなじみの実力派俳優ハン・ソッキュが主人公キム・サブを演じている。他にも映画でよく見る顔がバイプレーヤーとして脇を固めているため、演技も安心してみることができる。医療物がお得意の放送局SBSのドラマだけあって、見どころの一つでもある緊迫感ある手術シーンもリアルだ。

韓国では、昔から医療ドラマの人気が高い。理由の一つは憧れの職業であること。そして、ドラマの舞台が大病院である場合、韓国ドラマでは欠かせない財閥の要素も含まれるので権力と闘う姿が描かれ視聴者の心をつかむのだろう。また、主人公は外科の設定だが、病と闘う主人公たちは、コロナ禍での医療従事者と重なって応援したくなる。日本では8月22日よりKNTVにて放送が決定しているようなので、医療ドラマ好きな方はぜひチェックしてみて欲しい。


【話題の記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

政府・日銀の協定見直し、直ちに必要とは考えず=高市

ワールド

停戦に双方署名とハマス、イスラエル閣議承認へ 12

ビジネス

再送-インタビュー:サナエノミクス、日銀利上げ「遠

ビジネス

米ペプシコ、第3四半期売上高・利益が予想上回る 健
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ「過激派」から「精鋭」へと変わったのか?
  • 3
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 4
    ヒゲワシの巣で「貴重なお宝」を次々発見...700年前…
  • 5
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 6
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 7
    インフレで4割が「貯蓄ゼロ」、ゴールドマン・サック…
  • 8
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 9
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 10
    50代女性の睡眠時間を奪うのは高校生の子どもの弁当…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中