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28歳妊婦まで犠牲に... ロックダウン緩和で「フェミサイド」急増の南アフリカ

2020年8月3日(月)19時10分
パトリック・エグウ

政府はGBVF対策を打ち出していると主張するが、問題の解決にはまだ遠いようだ。2018年には、政府や市民団体が「全国GBVFサミット」を共催した。ラマポーザは昨年、「GBVF宣言」に署名。この問題に対応するための国家戦略を策定する予定だ。

活動家はこの宣言について、正しい方向への一歩だが、やるべきことはまだまだあると指摘する。その1つが犯罪行為の厳罰化だ。それによって加害者を思いとどまらせる効果が期待できると、彼らは主張する。

何より男性がレイプについて仲間や息子たちと話し合うことが重要だと、活動家は指摘する。目標は、そうした対話を通じて次の世代の意識を変え、女性の側に立ってレイプ根絶に向けて声を上げるよう促すことだという。

プレの葬儀に集まった人々は歌っていた。「死を悼むときに武力は必要ない」と。

From Foreign Policy Magazine

<2020年8月11日/18日号掲載>

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