最新記事

日韓関係

韓国「永遠の贖罪」像、事実なら国際儀礼上許されない=菅官房長官

2020年7月28日(火)19時16分

菅義偉官房長官は午後の記者会見で、従軍慰安婦問題を象徴する少女像の前に、安倍晋三首相をモチーフにしたとされる、ひざまずいて謝罪する男性像が韓国の私立公園内に設置されたことに関して、事実であれば国際儀礼上、許されないとの見解をあらためて表明した。写真は江原道にある私立植物園に設置された「永遠の贖罪」と題する像 YTN News / YouTube

菅義偉官房長官は28日午後の記者会見で、従軍慰安婦問題を象徴する少女像の前に、安倍晋三首相をモチーフにしたとされる、ひざまずいて謝罪する男性像が韓国の私立公園内に設置されたことに関して、事実であれば国際儀礼上、許されないとの見解をあらためて表明した。

菅官房長官は、像が設置されたことについて「日本政府はその事実を確認する立場ではない」と述べた。その上で「もし事実であれば、国際儀礼上、許されない」と語った。

同日午前の会見では「仮に報道が事実なら、日韓関係に決定的な影響を与える」と述べたが、午後の会見では、そうした発言はなかった。

韓国メディアの報道によると、男性像は韓国北東部の江原道にある私立の「韓国自生植物園」の園内に設置された。設置者は像に関して「永遠の贖罪(しょくざい)」と題したと説明しているという。

この植物園の園長は、共同通信の取材に対し、像は私費を投じて造ったと述べた上で、「安倍首相を特定して造ったものではなく、謝罪する立場にある全ての男性を象徴したものだ」などと話した。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が手当した布マスクに関して、新たに8000万枚を介護施設などに向けて生産することになったが、菅官房長官はコストについて、すでに介護施設などに配布した7000万枚と合わせて247億円になると発表した。

また、コロナ感染拡大に伴うストレスなど心理的な影響に関して、厚生労働省が本格的な調査を始めることも明らかにした。菅官房長官は、今年9月から調査を開始し、年内には調査結果を取りまとめ、今後のケアに役立てたいと語った。

(田巻一彦)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



江原道にある私立植物園に設置された「永遠の贖罪」と題する像 YTN News / YouTube


【話題の記事】
・新型コロナウイルス、患者の耳から見つかる
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・がんを発症の4年前に発見する血液検査
・これは何? 巨大な黒い流体が流れる様子がとらえられる


20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 10
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中