最新記事

カジノ業界

新型コロナで追い込まれるカジノ業界 ラスベガスのピラミッド型ホテルが解体へ?

Could The Luxor Resort & Casino Be Demolished?

2020年7月3日(金)14時00分
ドーン・ゲスク

ラスベガスのなかでも「ルクソール」のピラミッド型ホテルはひときわ目を引く 4kodiak/iStock.

<ラスベガスの代表的なカジノホテル「ルクソール」に廃業の噂が......コロナショックでラスベガスの景観が激変する>

テーマパークのようなカジノリゾートが集まるラスベガスのなかでも、とりわけ威容を誇るピラミッド型ホテルが人気のカジノホテル「ルクソール・リゾート&カジノ」が、近く廃業するのではないかと見られている。親会社のMGMリゾーツ・インターナショナルが同ホテルの解体を検討していることが報じられた。

ルクソールは、同系列のカジノホテル「エクスカリバー」とともに、ここ5年ほど、廃業の噂が囁かされてきた。しかし、ラスベガスの情報サイト「バイタルベガス」によると、これまでは従業員組合の反対で廃業を免れてきた。

しかし、新型コロナウイルスによるカジノ業界への影響が深刻化するラスベガスで、ルクソールが早期に取り壊されるという見方が出ている。

外装維持が重い負担に

バイタルベガスによるとMGMリゾーツは、近年テーマパーク型カジノリゾートの方針を変更しつつあり、2000年に「MGMグランド」の『オズの魔法使い』をテーマにした装飾を廃止したほか、フランス南部モナコのカジノ街をイメージした「モンテカルロ」も、2018年に落ち着いた装飾の「パークMGM」へと改装した。ルクソールの廃業も、こうした方針転換の延長線上にあると見られる。

ルクソールのピラミッド型ホテルは、2007年に3億ドルをかけて改装されたが、MGMリゾーツにとってホテルの外装維持の負担が重くなっていると報じられていて、これがホテル廃業の要因となりそうだ。

ラスベガスのカジノホテルが集中する大通り「ストリップ地区」で、ルクソールが開業したのは1993年。客室4000室と、約9400平方メートルの巨大なカジノスペースを備えている。開業当時の総工費は3億7500万ドル、30階建てのホテルは同地区で最も高い建築物だった。

MGMリゾーツはルクソールの解体を公式には発表していない。しかし、感染拡大によるラスベガスへの深刻な影響が続く現状では、ルクソールの今後の営業計画も変更せざるを得ないと見られている。

【話題の記事】
・東京都と緊密に連携、直ちに緊急事態宣言出す状況にあらず=菅官房長官
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン首相が辞任の可能性示唆、妻の汚職疑惑巡り裁

ビジネス

米国株式市場=まちまち、好業績に期待 利回り上昇は

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ビジネス

NY外為市場=ドル一時155円台前半、介入の兆候を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中