最新記事

スポーツ

韓国プロ野球、コロナ禍で開幕遅れるMLBに代わりアメリカで人気

2020年6月7日(日)17時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

新型コロナウイルスによってMLBの中継がないままのアメリカで韓国野球リーグが中継され人気を呼んでいる REUTERS / KIM HONG-JI

<新型コロナウイルスの影響で世界のスポーツ界は動き出せずにいるが、いち早くリーグ開幕した韓国に本場アメリカが注目>

韓国から飛び出して世界で認められているものといえば、スマートフォンや液晶テレビといった電化製品のほか、K-POPはもちろん、韓国ドラマもNetflixなどを通じて、各国で人気だ。さらに今年は、映画『パラサイト 半地下の家族』がオスカー4冠を制覇したように、韓国映画も大注目されている。先日発表された、カンヌ映画祭が選出した今年の映画にも2本の韓国映画が入っている。

そんななか、今度はスポーツ界でまた新たな韓国発ブームの旋風を巻き起こしている。

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、各国ではいまだに様々な業界に影響が出ているが、スポーツ界でも無観客などの処置を取りながら、やっと少しずつ試合再開が始まっている。

しかし、野球の本場アメリカでのプロ野球は、現在も中断している状態だ。7月4日の独立記念日前後に無観客試合から開催を目指すという案が出たが、大リーグ機構が提示した年俸削減案に選手会側が難色を示して交渉が難航している。その一方でなんと韓国のプロ野球がアメリカで人気が急上昇するという状況が起こっている。

開幕遅れるメジャーリーグの「代打」に韓国野球リーグ

以前から、アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNは、韓国のプロ野球に目を付けていたそうだが、KBO(韓国野球連盟)との中継放送権契約までには至らなかった。ところが、今回新型コロナウイルスの影響で中止となったメジャーリーグ中継番組枠の穴を埋めるため、交渉が急に進み、試合の生中継権など契約が締結された。今では1週間になんと6試合以上が全米に生中継されている。

韓国では、1カ月ほど前の5月5日からプロ野球が無観客試合で開幕した。放送が開始されると、野球に飢えていたアメリカ人が、メジャーリーグと似ているようで若干違う韓国野球に注目しだし、人気を集めている。

思ってもいなかったこの韓国野球人気に、ESPNもここぞとばかりにプロモーションし始めているようだ。韓国人メジャーリーガーのリュ・ヒョンジン投手(トロント・ブルージェイズ所属)は、韓国野球特集のインタビューに「アメリカではなかなか見られないが、本来花形である4番打者も必要に応じて進んでバントをして、勝利のために犠牲になる」と、アジア式の野球を説明。パワーで攻めるアメリカ野球しか知らなかった視聴者の興味を引いている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ協議の早期進展必要、当事国の立場まだ遠い

ワールド

中国が通商交渉望んでいる、近いうちに協議=米国務長

ビジネス

メルセデス、2027年に米アラバマ工場で新車生産開

ワールド

WHO、成人への肥満症治療薬使用を推奨へ=メモ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中