最新記事

コロナ危機後の世界経済

未曾有の危機には米政府の「景気刺激策」では不十分

IS $2 TRILLION TOO LITTLE, TOO LATE?

2020年4月3日(金)19時20分
マイケル・ハーシュ

G7の財務省・中央銀行総裁は3月24日にテレビ会議を行い、共同声明を発表。新型コロナウイルスが人々の健康と経済に及ぼす影響を抑えるために「協力して大胆な国内および国際政策を進める」と誓った。20カ国・地域(G20)首脳会議も26日、世界経済に5兆ドルを供給すると発表。だがトランプは経済対策であれ感染症対策であれ、連邦政府が多額のカネを出すことに難色を示す。

それとは対照的に「デンマークは最も明確な措置を取った」と、スティグリッツは言う。「企業に対し、不要な人員は働かせなくてもいいし一時解雇してもいいが、給与は払え、その分は政府が持つ、と言った」

未曽有の経済活動の停止に対しては未曽有の対処が必要だと、ニューヨーク大学のローレンス・ホワイト教授も言う。大恐慌は4年がかりで経済を壊滅させたが、今回は数週間のペースだ。「政府が流動性であれ融資であれ、必要なものを何でも提供することだ」と、ホワイトは力説する。「現状では(米経済が)V字回復して、コロナ危機の終了を宣言できるとはとても思えない」

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年4月7日号「コロナ危機後の世界経済」特集より>

【参考記事】「世界最多の新型コロナ感染者数」それでもアメリカの覇権が続く理由
【参考記事】中国経済は本当に世界を「V字回復」へと導けるのか?

cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過去最高水準に
  • 4
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 9
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中