最新記事

米中関係

トランプ、新型コロナウイルス感染についての中国の統計「やや少ないようだ」

2020年4月2日(木)15時20分

トランプ米大統領は、中国が公表している新型コロナウイルスの感染状況に関する統計について、「やや少ない」ようだとの見解を示した。写真はホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/TOM BRENNER)

トランプ米大統領は1日、中国が公表している新型コロナウイルスの感染状況に関する統計について、「やや少ない」ようだとの見解を示した。一方、トランプ大統領の補佐官は政府として中国の統計が正確かどうか判断できないと指摘した。

また、中国の統計を巡っては、共和党の有力議員が信頼性に疑問を投じたほか、米ブルームバーグも、米情報当局が機密報告書で中国の感染者数と死者数は過少報告されていると結論付けたと報じた。

新型コロナの感染拡大は昨年終盤に中国で始まったが、現在は感染者数、死者数ともに米国が中国を上回り、感染例は世界最多となっている。

トランプ氏は新型コロナ対策本部の定例会見で、中国の統計に関する情報当局の報告書は受け取っていないとした上で、「数字はやや少ないようだ」と語った。

また、先週行った中国の習近平国家主席との電話会談で新型コロナ感染拡大への中国の対応について意見を交わしたが、「数字はあまり」議論しなかったと述べた。

習主席との会談以降、感染拡大を巡る中国の対応批判をトーンダウンさせているトランプ氏は、米中関係は「非常に良好」とも述べ、両国は今年初めに合意に達した大規模な貿易協定の維持を望んでいるとした。

「彼らの数字が正確かどうかに関しては、私は中国の会計士ではない」と述べた。

一方、オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同じ会見で、米政府は「中国から出てくるいかなる数字も確認する立場にない」と語った。

これより前、共和党のマイケル・マコール下院議員は、中国が実際の感染者数を隠蔽していると非難。国務省に対し、新型コロナ感染拡大に関する中国の「初期の隠蔽とその後の動き」を調査するよう求めた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロナウイルス拡大防止に
・中国からの医療支援に欠陥品多く、支援の動機を疑えとEU警告
・人前で「コロナ」と言ったりマスクをするだけで逮捕される国とは


cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は大幅続伸、1000円超高 リスクオ

ワールド

フィリピン中銀、8月利下げの可能性示唆 年内2回予

ワールド

マクロスコープ:自民党の混乱、夏以降の経済に影響懸

ワールド

クラゲ大量発生でフランスの原発停止、温暖化で水温上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 8
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 9
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 10
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中