最新記事

感染症

中国・武漢市、新型コロナウイルス死者数を大幅修正 50%増の3869人へ

2020年4月17日(金)18時17分

新型コロナウイルスの発生地である湖北省武漢市は17日、新型コロナ感染者数と死者数を上方修正し死者の数は50%増となった。武漢で1日撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

中国国営テレビの中国中央電視台(CCTV)によると、新型コロナウイルスの発生地である湖北省武漢市は17日、新型コロナ感染者数と死者数を上方修正した。感染者数は325人増え、累計5万0333人。死者は1290人増え、3869人となった。死者の数は50%増となった。報告の誤りや遅れに対応した修正という。

これを受け、中国政府は本土の死者数を4632人に修正した。

武漢の死者数については、当局が発表する数字よりも実際にははるかに多いのではないかとの観測が浮上していた。火葬場に遺骨を引き取る親族の長い行列ができているとの情報や、葬儀場に数千個の骨壺が用意されているとの情報が伝えられていた。

中国国営放送局のCGTNによると、ある武漢市の当局者は「感染初期の段階では、病院の収容能力が限られ、医療スタッフも不足していた。一部の医療機関が、地元の疾病予防管理システムに情報を伝えるのが遅れたほか、患者の数を正確に数えられないケースがあった」と述べた。

トランプ米大統領は15日、中国の死者数が約3000人と公表されていたことについて「中国というあれだけ広大な国でこの数字は本当に信じられるだろうか」と述べていた。

ただ一部の専門家は、正確な死者数を把握できていない国は多いと指摘。検査を受ける前や病院に行く前に新型コロナ感染症で亡くなった人がいるとの見方を示している。

武漢市の感染者数が修正される前、中国国家衛生健康委員会は、16日に新たに確認された中国本土の新型コロナウイルス感染者が26人だったと発表していた。15日の46人から減少し、4月3日以来の低水準とされていた。

このうち海外からの渡航者は15人で、3月17日以来の低水準。残りの11人は国内感染で、前日の12人からわずかに減少した。

国内での感染は、広東省、黒竜江省、山東省、遼寧省で確認された。

16日時点で中国本土の新型コロナ感染者の累計は8万2367人となった。

新たに確認された無症状の感染者は66人で、前日の64人から増えた。

中国当局は、咳や発熱などの臨床症状のない新型コロナ患者を感染者数に含めていない。

16日に新型コロナによる死者は報告されていない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・東京都で新たに201人の新型コロナウイルス感染確認 1日で過去最多
・新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?
・コロナ対策の優等生、台湾の評価が急上昇
・イタリア、新型コロナウイルス新規感染者は鈍化 死者なお高水準


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国の新規銀行融資、11月は予想下回る3900億元

ビジネス

仏ルノー、モビライズ部門再編 一部事業撤退・縮小

ビジネス

ECB、大手110行に地政学リスクの検証要請へ

ワールド

香港の高層住宅火災、9カ月以内に独立調査終了=行政
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中