最新記事

感染爆発

イタリア、新型コロナウイルスのクラスターは感染初確認前の1月に発生していた

2020年4月25日(土)10時24分

ブルーノ・ケスラー財団が公表した研究で、イタリアで新型コロナウイルス感染症の初の感染者が出たのは1月までさかのぼることが分かった。写真は4月21日、ローマで(2020年 ロイター/Remo Casilli)

ブルーノ・ケスラー財団が24日に公表した研究によると、イタリアで新型コロナウイルス感染症の初の感染者が出たのは1月までさかのぼることが分かった。

イタリアは、裕福な地域であるロンバルディア州の小さな町、コドーニョで2月21日に感染者が出たことを皮切りに検査を開始した。

感染件数と死者数は急速に増加。科学者は間もなく、新型ウイルスが気づかれないまま何週間も存在していたのではないかと考えるようになったという。

財団のステファノ・マーラー氏は保健当局者とともに記者会見を開き、財団が知られる限りの初期事例を検証し、その後の感染拡大のペースから明確な結論に至ったと話した。「2月20日よりはるか前からロンバルディア州にたくさんの感染者がいたことが分かった。新型ウイルスがずっと前からまん延していたということだ」と述べた。

4月に報告された感染件数を基にした別の研究によると、44.1%が老人ホームでの感染で、24.7%が家族内感染。10.8%が病院、4.2%が職場だった。

イタリアは西欧諸国の主要国で最初に感染者が出た国。新型ウイルスは中国で昨年末に発生し、世界中に広がった。イタリアで報告されている感染件数は19万人。死者は2万5500人となっている。

2人の中国人観光客がローマで陽性反応が出たことを受け、イタリア当局は1月31日から中国との航空便を中止した。ただ科学者は、手遅れだった可能性が高いと指摘する。

別のイタリアの科学者チームは、新型ウイルスが1月の後半に、中国から直接ではなくドイツから持ち込まれたとみている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道

ワールド

英4月製造業PMI改定値は45.4、米関税懸念で輸

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中