最新記事

感染症対策

中国、新型コロナウイルスを制圧? 湖北省、新たな感染者は武漢除きゼロに

2020年3月6日(金)17時00分

中国国家衛生健康委の発表によると、中国湖北省で5日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は126人となったが、全員が武漢市だった。写真は4日中国の武漢で撮影(2020年 ロイター)

中国国家衛生健康委の発表によると、中国湖北省で5日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は126人となったが、全員が武漢市だった。湖北省の新規感染者が武漢を除いてゼロとなるのは初めて。

湖北省以外の地域では17人の感染が新たに確認された。本土全体の5日の新規感染者は143人となり、前日の139人から増加した。

この17人のうち、16人は海外から新型ウイルスが「逆流入」してきたケースで、11人は甘粛省、4人は北京、1人は上海で確認された。中国では新たな感染者の発生が落ち着きつつあることから、中国当局は、新型ウイルスの海外からの流入阻止に対策の軸足を移している。

国営テレビが5日遅くに報じたところによると、甘粛省の州都・蘭州ではイランから到着した311人が隔離された。

北京市保健当局は6日、5日に新型コロナウイルスの新たな感染者4人を確認し、全員がイタリアと関連していると発表した。

北京市は、韓国・日本・イラン・イタリアからの渡航者全員に14日間の隔離措置を義務づける方針を示している。上海市も「比較的ウイルス感染が深刻な」国を最近訪れた渡航者に14日間の隔離措置を義務づける方針を表明した。

中国本土の累計の新型ウイルス感染者数は、5日時点で8万0552人。本土の累計の死者数は3042人で、前日から30人増加した。

湖北省では5日に29人が新たに死亡。うち23人が武漢だった。

一部の地域で学校再開へ

新たな感染例が一定期間、報告されていない地域では、学校が授業の再開に動いており、日常生活に正常化の兆しが出始めている。

青海省では、今月5日時点で新たな感染が29日間報告されておらず、今月11日から20日にかけて学校の授業を段階的に再開する予定。

貴州省でも新たな感染が18日間報告されておらず、今月16日から授業を再開する方針だ。

*内容を追加します。

[北京 6日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス感染症はいつ、どう終息するのか
・韓国、新型肺炎の激震エンタメ界も BTSは20万人ライブ中止、ファンがとった行動は──
・イタリアが「欧州の武漢」に なぜ感染は急速に広がったのか


20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、予想

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中