最新記事

ミサイル

北朝鮮が短距離ミサイル2発発射 元山から海へ、3カ月ぶり=韓国国防省

2020年3月2日(月)13時45分

韓国国防省は、北朝鮮が未確認の飛翔体を発射したことを明らかにした。写真は北京で2008年12月撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)

韓国軍は、北朝鮮が2日、短距離ミサイル2発を発射したことを明らかにした。

韓国軍の合同参謀本部によると、短距離ミサイルは東海岸の元山(ウォンサン)市から海に向かって発射された。ミサイルの飛行距離は240キロ、高度は35キロだった。北朝鮮はこれまでにも元山市から短距離ミサイルを発射している。

北朝鮮がミサイルを発射するのは、昨年11月28日以来。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)はこのとき、同国が「超大型多連装ロケット砲の発射実験に成功した」と伝えた。

韓国大統領府は声明で、鄭義溶・国家安保室長が関係閣僚による緊急ビデオ会議を開き、北朝鮮のミサイル発射実験について分析したと明らかにした。

声明は「閣僚らは北朝鮮が3カ月ぶりに短距離ミサイルの発射を再開したことに強い懸念を表明した。こうした行動は朝鮮半島の緊張緩和に向けた努力の助けにならず、閣僚らは北朝鮮に止めるよう要求する」としている。

合同参謀本部は、追加の発射があるかどうか注視しているとした。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は先月29日、金正恩朝鮮労働党委員長が28日に軍事演習を視察したと報じていた。

合同参謀本部は、金委員長が28日に視察した軍事演習が続いているようだとの見方を示した。

米国と韓国は27日、韓国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、韓国軍と在韓米軍の双方に感染者が出たことを受け、米韓合同軍事演習を「別途通知があるまで」延期すると発表した。

元海軍将校で、現在は慶南大学で教えるキム・ドンヨプ氏は、今回の発射実験は「防衛能力を国民に誇示し、金正恩氏の経済発展キャンペーンをてこ入れし、軍の士気を高める公算が大きい」との見解を示した。

国営メディアによると、金正恩・朝鮮労働党委員長は先週、新型ウイルスに関する労働党の会議を開催し、ウイルス対策をさらに強化する方針について話し合った。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中