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米イラン危機で漁夫の利を得る中国

TRUMP’S GIFT TO CHINA

2020年1月16日(木)16時00分
ミンシン・ペイ(本誌コラムニスト、クレアモント・マッケンナ大学教授)

中国の習にとってみれば、この好機に乗じるには計算ずくの対応が求められる。中東で繰り広げられる出来事は、中国にとっては飛び付きたいほどの戦略的チャンスだ。おそらく習は認識しているだろうが、中国の最善の策は、イランへの支持を宣言すること。そしてアメリカの制裁を無視してイランの石油をひそかに輸入し続ける一方で、例えばイランに武器を供給するなどの行動に出てトランプを挑発しないことだ。

ソレイマニ暗殺を受け、イラン政府は核開発計画について「(ウランの)濃縮能力を含めいかなる制限も受けない」と発表したが、ワシントンの冷静な有識者たちは、イランのどんな報復に対しても慎重に対応するべきだと呼び掛けるはずだ。しかしトランプ自身は、今年11月の大統領選に先立ち「タフさ」を打ち出したい願望に駆られている。しかも、彼を取り囲んでいるのは有能な側近ではなく経験不足のイエスマンたちだ。

17年前、ブッシュは中東での戦争に足を踏み入れ、中国を封じ込める努力から逸脱していった。トランプは今なら同じ過ちを避けることができる。しかし、イランの文化遺産を攻撃すると脅すなど常軌を逸したツイートをするたび、海の向こうで、習の新年の展望が明るく開けていく。

©Project Syndicate

<本誌2020年1月21日号掲載>

【参考記事】米イラン対立、それでも報復が実行される理由
【参考記事】米イラン戦争が現実になる日

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2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

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