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「LGBTを摘発せよ!」 英国で男性約200人レイプした男のいたインドネシア・デポック市長、当局に指示

2020年1月20日(月)12時19分
大塚智彦(PanAsiaNews)

デポック市も政府も沈黙するのみ

インドネシア国家人権委員会「コムナスハム」はイドリス市長に宛てた書簡の中で「本来はLGBTの人びと、団体を保護するのが市当局のとるべき立場である。摘発強化はLGBTの人びとへの差別や暴力を助長することにつながりかねない」として摘発強化方針の即時撤回を求めている。「コムナスハム」によるとこれまでデポック市当局から書簡に対する回答は寄せられていないという。

「アムネスティ・インターナショナル」のインドネシア支部も声明を発表して「LGBTの人びとへの摘発強化はいかなる理由でも正当化することはできない。それは表現の自由、個人の尊厳に対する明らかな人権侵害である」とイドリス市長とデポック市を厳しく批判している。

本来であればこうした人権に関わる問題には積極的に関わり、公平公正の立場から事態収拾に乗り出すジョコ・ウィドド政権も、問題が「イスラム教」という圧倒的多数で、政権基盤への影響力も大きい存在が関係してくるだけに今回はこれまでのところ沈黙を守って事態の推移を見守るにとどまっている。


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大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など



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