最新記事

イラン

軍事力は世界14位、報復を誓うイラン軍の本当の実力

2020年1月6日(月)11時25分
トム・オコナー

スレイマニ(中央)は殺害されたがイラン軍は手ごわい相手 PRESS OFFICE OF IRANIAN SUPREME LEADER-POOL-ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES

<イラン革命防衛隊「クッズ部隊」のスレイマニ司令官を殺害したアメリカに、イラン指導部は報復を誓っている。国連制裁下にあったイランだが、実際の軍事力はどのくらい強力なのか>

米軍は1月3日、イラクの首都バグダッドでイラン革命防衛隊「クッズ部隊」のカセム・スレイマニ司令官らを空爆により殺害した。これに対し、イラン指導部はアメリカへの報復を誓っている。

イランの出方はまだ明らかでないが、トランプ米大統領は中東での米軍のプレゼンスを強化し始めている。イランの報復攻撃に備えて、最大3500人の米兵を中東に増派する方針だとされる。

イランの軍事力は、どのくらい強力なのか。最大の強みは、中東諸国で最も高度なミサイル兵器と、同地域最大規模の常設軍だ。加えて、アメリカとその同盟国に対して反感を抱くイスラム教シーア派武装勢力の支持も得ている。シーア派の反米感情は、今回のスレイマニ殺害でいっそう強まりつつある。

世界各国の軍事力をランク付けしている米グローバル・ファイヤーパワーの最新ランキングによれば、イランは世界で14位。これは、近隣のライバルであるイスラエル(17位)、サウジアラビア(25位)より上位だ。

イランは2010年以降、国連制裁により兵器輸入を制限されてきたため、保有する外国製兵器の多くが時代遅れになっていると考えられている。欧米製の兵器は1979年のイラン革命前のものだし、旧ソ連製や中国製の兵器の一部も古くなってきている。

しかし、イランはそうした弱点を強みに変えようとしてきた。例えば海軍の主力は小型高速艇だ。これが群れをなして一斉に外国の大型艦に押し寄せる戦法を磨いている。

中ロと合同軍事演習も

一方、イランは国産兵器の開発でも大きな進歩を遂げてきた。「ホルダード3」「メルサド16」「ババル373」など、地対空ミサイルの開発にも成功している。「ホルダード3」は、昨年6月に米軍の最新鋭無人偵察機グローバルホークを撃墜した兵器だ。

このほかにも、ロケット砲の「ファジル5」や短距離ミサイルの「ゼルザル」、射程約2000キロの弾道ミサイル「ホラムシャハル」などの国産兵器がある。長距離巡航ミサイルの「スーマール」は、ヨーロッパも射程に収める。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国産大豆追加購入の可能性低下も 関税違憲判

ビジネス

トランプ関税違憲判決、米エネ企業のコスト軽減 取引

ワールド

米USTR、新たな301条調査開始へ 主要国の大半

ワールド

トランプ氏、10%の代替関税に署名 最高裁の違憲判
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 4
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 10
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中