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トランプ登場で自衛を迫られる欧州──今こそポストNATO時代に備えよ

THE DAY AFTER NATO

2019年12月12日(木)18時00分
ヨシュカ・フィッシャー(元ドイツ外相)

実際、ヨーロッパの東部では、安全保障上の不安がこれまでになく高まっている。これらの国がロシアと地理的に近いこと、そして歴史的にロシア帝国主義の影響を被ってきたことを考えれば当然だろう。しかも、クリミア併合やウクライナ東部での戦争など、近年のロシアの冒険主義を見れば、不安が高まるのはもっともだ。

トランプの意図せぬ功績とは

これらの国(特にポーランドとバルト3国)にとって、NATOを通じてアメリカをヨーロッパ防衛に関与させることは必要不可欠だ。NATOは加盟国に公平な拠出を求めることにより、ヨーロッパ諸国に必要とされてきた保険を提供するとともに、域内の連帯と結束さえも促してきた。

トランプが「アメリカ・ファースト」というスローガンの下、ナショナリスト的な外交政策にシフトした結果、ヨーロッパは突然、自らの主権について真剣に考えることを迫られた。それはヨーロッパが、断固として共同戦線を張る能力を持つ、独立した技術大国になることを意味する。

EUがこれを自発的にやることは決してなかっただろう。トランプは図らずも、ヨーロッパに長く必要とされてきた自己改革を強いることになったのだ。

©Project Syndicate

<本誌2019年12月17日号掲載>

【参考記事】NATOの「脳死」はトルコのせいではない
【参考記事】米欧、そしてロシアも「共通の脅威」中国に立ち向かうべき

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