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FB、シンガポール政府のフェイクニュース防止法に従い投稿に「訂正通知」

2019年12月2日(月)16時03分

フェイスブックはシンガポール政府がフェイクニュース防止法(POFMA)に基づき訂正を指示した投稿について、その末尾に「訂正通知」を掲載した。一方で、同国政府に対し、新たな法律を慎重に運用するよう求めた。2018年3月28日撮影(2019年 ロイター/Dado Ruvic)

フェイスブックは30日、シンガポール政府がフェイクニュース防止法(POFMA)に基づき訂正を指示した投稿について、その末尾に「訂正通知」を掲載した。一方で、同国政府に対し、新たな法律を慎重に運用するよう求めた。

シンガポール政府は11月29日、10月に施行した(POFMA)に基づき、問題視した投稿の訂正をフェイスブックに指示した。投稿者はブロガーのアレックス・タン氏で、自身が運営するフェイスブックページで内部告発者とされる人物の逮捕と選挙での不正を非難した。シンガポール政府はこの投稿を「虚偽」だとしてタン氏に訂正を命じたが、同氏は訂正要請に応じなかった。

フェイスブックの通知は「フェイスブックは法律により、この投稿に虚偽情報が含まれているというシンガポール政府の主張を伝える義務がある」としている。この通知は投稿の末尾に掲載され、シンガポールのユーザーにしか見えないという。投稿の内容そのものは全く修正されていない。

タン氏は自身がオーストラリア市民だとして、シンガポール政府の命令に従わない意向を示した。POFMA当局はタン氏に対する調査を開始したことを明らかにしているが、ロイターは同氏のコメントを得られていない。

フェイスブックの広報担当者は電子メールで、「シンガポールの法律に則って、政府が虚偽の情報を含んでいると判断した投稿に通知を掲載した」と指摘。「この法律は施行されてから日が浅いが、シンガポール政府は法律が表現の自由に影響しないとが確約しており、慎重で透明性のある運用につながることを期待している」と注文を付けた。

一方、シンガポールのユーザーの一部は、フェイスブックによる通知が見られないと話している。

[シンガポール ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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