最新記事

韓国

GSOMIA失効と韓国の「右往左往」

2019年11月14日(木)11時36分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

その手段は今も変わっておらず、特にアメリカの説得を受けて「撤回の検討」の余地があるような発言をまた試みているが、「あくまでも日本がホワイト国除外などの措置を撤廃すれば」という条件付きで、日本としては飲めないところだろう。韓国としても、世論(の一部)が許さない。

それでいながら米韓合同軍事演習:金正恩激怒

しかし、文在寅政権は「GSOMIA破棄は、アメリカとの同盟には影響しない」と苦しい弁解をしており、その証拠とばかりに、韓国は12月に米韓空軍による合同軍事演習を実施することを選択した。11月7日に米韓双方の政府関係者が個別に発表した。

中国の中央テレビ局CCTVは11月8日、韓国の聯合ニュースの情報として特集を組んで報道し、かつネットで「米韓合同軍事演習を挙行 北朝鮮:忍耐の限界に近付いている」というタイトルで文字起こしして報道している。 

それによれば、韓国の国防部が7日の記者会見で「米韓は11月中旬に規模を縮小したビジラント・エース(Vigilant ACE) (中国語では警戒王牌)に相当する空軍合同演習を挙行する」と表明したとのこと。

この日程に関しては、アメリカの国防総省の発表では12月としているが、「近い内に」ということに関しては変わらない。

そこで北朝鮮の外務省は「韓米合同空軍演習は、疑いもなく対(北)朝鮮への敵対行為であり、(北)朝鮮の忍耐心は極限に近づいており、絶対にこの軍事行動を座視していることはない。(北)朝鮮は長いこと、この米韓合同軍事演習を"侵略戦争の演習だ"として非難してきた」と語ったと、CCTVでは報道している。また金正恩政権は「8月には米韓合同軍事演習をやめない限り、南北会話は存在し得ないと警告してきたはずだ」と怒りを露わにしたそうだ。

CCTVは声を大にして北朝鮮の怒りを伝えたが、それは中国の米韓に対する怒りでもあると筆者には映った。

一方、11月3日には、この軍事演習をやめるという韓国政府関係者の発言があったと、同じく韓国の聯合ニュースは伝えたばかりで、数日もしないで、その方針は覆されたことになる。

ということは、韓国側としては中止したかったが、アメリカ側がそれを許さなかったということになろう。中止するというニュースは11月3日付のRFIの中国語版でも報道されていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ドバイの米オラクル施設に迎撃破片が落下、負傷者なし

ワールド

トランプ政権による大学への人種データ開示命令を仮差

ビジネス

アングル:トランプ関税で変わる米国のメニュー、国産

ワールド

米戦闘機2機、イランが撃墜 乗員2人救助・1人不明
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 8
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    60年前に根絶した「肉食バエ」が再びアメリカに迫る.…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 8
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中