最新記事

スペイン

「見せしめ判決」でカタルーニャの怒り再燃、バルセロナの混乱は続く

2019年10月21日(月)11時50分
ローラ・パワーズ

バルセロナは抗議デモで大混乱に ALBERT GEA-REUTERS

<重過ぎる実刑判決への抗議で空港は大混乱、中心部ではデモ隊と武装警官が衝突している>

2017年にスペインからの独立の是非を問う住民投票を強行したカタルーニャ自治州。その実施と独立宣言に関与したとして、最高裁判所が10月14日、同州幹部ら9人に禁錮刑を言い渡すと、州都バルセロナでは大規模な抗議デモが巻き起こった。

独立派の市民らが押し寄せたエル・プラット空港は大混乱し、100便以上が欠航に。中心部の州庁舎では武装警官がデモ隊と衝突し、ゴム弾を発砲した。

禁錮13年の最も重い判決が下ったのはウリオル・ジュンケラス前州副首相。ほかの8人も、投票強行が扇動や公金乱用に当たるとして禁錮9~12年を言い渡された。いまだベルギーに逃亡中のプッチダモン前州首相には、新たに逮捕状が発行された。

スペイン中央政府のサンチェス首相は、すぐさま判決支持を表明。「民主主義国家スペインには政治犯はいないが、民主主義の法を犯した政治家は法で裁かれる」とツイートした。

だが重過ぎる実刑判決は、くすぶっていた独立派の怒りに火を付けた。バルセロナの混乱はすぐには収まりそうにない。

<本誌2019年10月29日号掲載>

20191029issue_cover200.jpg
※10月23日発売号は「躍進のラグビー」特集。世界が称賛した日本の大躍進が証明する、遅れてきた人気スポーツの歴史的転換点。グローバル化を迎えたラグビーの未来と課題、そして日本の快進撃の陰の立役者は――。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

関税交渉で来週早々に訪米、きょうは協議してない=赤

ワールド

アングル:アルゼンチン最高裁の地下にナチス資料、よ

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人口学者...経済への影響は「制裁よりも深刻」
  • 4
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 5
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 6
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 7
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 8
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 9
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 10
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中