最新記事

2020米大統領選

トランプ陣営、大統領指名獲得へ党規則変更など周到な作戦 予備選取りやめも

2019年10月8日(火)16時34分

2020年米大統領選での再選を目指すトランプ大統領の陣営は、共和党の正式な大統領候補を指名する来年の党全国大会でトランプ氏の勝利に抗議の声が出て党の一体感が乱れないよう、ルール変更に取り組んでいることを明らかにした。写真はフィンランド大統領と並んで会見するトランプ氏。10月2日、ワシントンで撮影(2019年 ロイターKevin Lamarque)

2020年米大統領選での再選を目指すトランプ大統領の陣営は7日、共和党の正式な大統領候補を指名する来年の党全国大会でトランプ氏の勝利に抗議の声が出て党の一体感が乱れないよう、ルール変更に取り組んでいることを明らかにした。

共和党は来年8月にノースカロライナ州シャーロットで党全国大会を開く。通常は各州で事前に行われた予備選・党員集会の結果に沿って代議員が出席、投票する。

トランプ陣営の幹部3人は7日の電話会見で、トランプ大統領の対立候補が代議員の選出で影響を及ぼすことがないよう、各州の党支部と取り組んできたと説明した。

トランプ氏は世論調査で、共和党支持者に限ると圧倒的な支持を保っている。同党の予備選でトランプ氏に挑戦する候補は3人いるが、支持率は伸び悩んでいる。

全国大会で一部がトランプ氏の勝利に抗議しても、共和党の大統領候補としての地位が揺らぐことはないが、トランプ氏が党内の幅広い支持をうたっていることから、悪影響が残る可能性はある。

同陣営の幹部の1人は匿名を条件に「共和党のルールは現在、党の有権者の意思を十分に反映している。弱い立場だからこのようなことをしているわけではない」と述べた。

一部の州では予備選自体が取りやめとなり、党役員がトランプ氏寄りの代議員を選ぶ見通しだという。他の州ではトランプ陣営が推す新たなルールの下、得票率の低いトランプ氏の対立候補が代議員の選出に影響力を及ぼすことは難しくなるという。

2016年大統領選ではオハイオ州クリーブランドで開かれた共和党全国大会でトランプ氏が党の正式な大統領候補に指名された。トランプ陣営は全国大会に参加した代議員の選出への関与が低かったため、代議員がトランプ氏の予備選での勝利に抗議する声を上げる場面があった。このようなことが繰り返されないよう手を打っているようだ。

幹部は「来年の全国大会の全出席者について我々は気を配っている。あらかじめ決められた結果を確固たるものにするよう我々は心を砕いている」と語った。

[ワシントン 7日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191015issue_cover200.jpg
※10月15日号(10月8日発売)は、「嫌韓の心理学」特集。日本で「嫌韓(けんかん)」がよりありふれた光景になりつつあるが、なぜ、いつから、どんな人が韓国を嫌いになったのか? 「韓国ヘイト」を叫ぶ人たちの心の中を、社会心理学とメディア空間の両面から解き明かそうと試みました。執筆:荻上チキ・高 史明/石戸 諭/古谷経衡


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る

ビジネス

ユーロ圏の消費者インフレ期待、総じて安定 ECB調

ビジネス

アングル:日銀利上げ、織り込み進めば株価影響は限定

ワールド

プーチン氏、来月4─5日にインド訪問へ モディ首相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中