最新記事

日本政治

河井法相が辞任、安倍首相「責任を痛感」 改造内閣発足2カ月で2人目

2019年10月31日(木)10時52分

河井克行法相が安倍晋三首相に辞表を提出した。写真は法相に任命され、首相官邸に到着した河井氏。9月11日、東京で撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

河井克行法相が31日午前、安倍晋三首相に辞表を提出、首相はこれを受理した。河井氏の妻で今夏の参院選で初当選した案里氏の陣営が、選挙運動員に法定上限を超す日当を支払った疑いがあるとの週刊誌報道を受け、法務行政への影響を考慮した。第4次安倍再改造内閣発足以来、2カ月足らずの間に2人の閣僚が辞任する事態となった。

安倍首相は河井法相の辞任について「(河井氏を)任命したのは私だ。こうした結果となった責任を痛感している。国民に深く心からおわびしたい」と述べた。

菅原一秀前経済産業相に続く閣僚辞任となったことについては「厳しい批判があることは真摯(しんし)に受け止めなければならない」とした上で、身を引き締めて行政の責任を果たしていく考えを示した。

安倍首相はまた、後任に森雅子・元少子化担当相を起用することを明らかにした。

31日発売の週刊文春は、河井法相の妻の案里氏の陣営が車上運動員に法定上限を超す日当を支払い、公職選挙法に違反した疑いがあるなどと報じている。

これに対し河井法相は、官邸で記者団の取材に応じ「選挙運動は法令に則って行っていると考えており、あずかり知らないこと」と反論。「しっかり調査し、説明責任を果たしたい」と述べた。

ただ、問題の確認・調査を行う間、法務行政への信頼は停止してしまうと考え、辞任を決意したとしている。

9月11日に発足した第4次安倍再改造内閣では、自身の選挙区の有権者に金品を配った疑いなどが報じられた菅原経産相が辞任しており、河井氏で2人目の閣僚辞任となる。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191105issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月29日発売号は「山本太郎現象」特集。ポピュリズムの具現者か民主主義の救世主か。森達也(作家、映画監督)が執筆、独占インタビューも加え、日本政界を席巻する異端児の真相に迫ります。新連載も続々スタート!


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

プーチン氏、5月に訪中 習氏と会談か 5期目大統領

ワールド

仏大統領、欧州防衛の強化求める 「滅亡のリスク」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中