最新記事

アフガニスタン

アフガン和平でも「壊し屋」発揮したトランプという人災

Trump Put 'More Planning' Into Beauty Pageants Than Taliban Talks

2019年9月10日(火)15時30分
ジェイソン・レモン

トランプには和平交渉より美人コンテストがお似合い(2011年) Jamie Fine-REUTERS

<アメリカの外交上重要な和平交渉よりもミスコンやゴルフに夢中で、繊細な外交交渉のやり方をわきまえていない、と猛批判>

ドナルド・トランプ米大統領は9月7日、アフガニスタンの反政府勢力タリバンと予定の和平交渉を中止したとツイッターで表明。タリバン幹部やアフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領をアメリカに招いて行う予定だった極秘会談もキャンセルしたことを明らかにした。

トランプが和平交渉を中止する直前まで、アメリカとタリバンはアフガニスタン駐留の米兵5400人を撤退させることで大筋合意に達した、と言われていた。タリバン指導部は怒り、米軍が撤退しない限り報復を続けると言った。

<参考記事>【写真特集】ポルノ女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダルを告発した美女たち

米ニュース専門局MSNBCの司会者ジョー・スカーボローはトランプの場当たり的な対応を強く批判し、トランプは外交政策より美人コンテストやゴルフトーナメントのことばかり考えている、と言った。

元共和党の下院議員で現在は無党派だというスカーボロ―は、9日の朝の番組「モーニング・ジョー」の中で次のように語った。

「トランプは、アメリカの外交にとって今最も重要かもしれない会談を計画したり、成功させたりするよりも、美人コンテストやゴルフのトーナメントを成功させるためにはるかに多くの労力を注ぎ込んでいる。真面目な話だ」

トランプは、ミス・アメリカ(上)やミス・ユニバースのオーナーでもある


番組にゲスト出演していたCIA元長官のジョン・ブレナンも、これに賛同し、こう語った。「この政権は、意思決定にはプロセスを踏む必要があるということをまったく考えていない」

「どんな奴らだ」と怒り心頭

トランプは7日のツイッターで、米大統領の別荘であるキャンプデービッドにタリバン幹部とアフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領を招いて極秘会談を行う予定になっていたことを明かし、しかし5日にアフガニスタンの首都カブールで起きた爆弾テロ(米兵1人を含む12人が死亡)にタリバンが関与していたので招待を取り消した、と言った(この時期にタリバンによるテロが起こったのが本当だとすれば、タリバン指導部と実行部隊の間に意思疎通ができていない可能性も指摘されている)。

<参考記事>米軍撤退後のアフガニスタンの空白は「一帯一路」の中国が埋める

「(爆弾テロを受けて)すぐに会談を取りやめ、和平交渉を中止した。交渉で有利に立つためにこんなに多くの人を殺すなんて、一体どんな連中なのか」と、タリバンを批判。「彼らはあと何十年戦い続けるつもりなのか」

アフガニスタンでは、2001年の9.11テロの報復で米軍が侵攻して以来、18年間にわたって戦争が続いている。この戦いで犠牲になった米兵は2300人以上にのぼる。

ニュース速報

ワールド

金正恩氏、ASEAN首脳会議出席見送り 南北関係緊

ワールド

香港の安定を脅かすことは決して容認しない=中国外相

ワールド

ドイツの対米輸出、第3四半期は前年比+7.6% 貿

ワールド

中国、米との「第1段階」通商合意に向け懸命に取り組

MAGAZINE

特集:プラスチック・クライシス

2019-11・26号(11/19発売)

便利さばかりを追い求める人類が排出してきたプラスチックごみの「復讐劇」が始まった

人気ランキング

  • 1

    「愚かな決定」「偏狭なミス」米専門家らが韓国批判の大合唱

  • 2

    表紙も偽物だった......韓国系アメリカ人高官が驚くような経歴詐称疑惑で辞任

  • 3

    中国は「ウイグル人絶滅計画」やり放題。なぜ誰も止めないのか?

  • 4

    「韓国は腹立ちまぎれに自害した」アメリカから見たG…

  • 5

    韓国、米国に一段のコメ市場開放で合意 119億円相当…

  • 6

    余命わずかな科学者が世界初の完全サイボーグに!?

  • 7

    世帯格差が子どもの体力低下にも繋がっている

  • 8

    トランプ、韓国が駐留経費増額に応じなければ在韓米…

  • 9

    香港高裁と北京政府が激突

  • 10

    韓国は、日本の対韓感情が大きく悪化したことをわか…

  • 1

    「愚かな決定」「偏狭なミス」米専門家らが韓国批判の大合唱

  • 2

    「韓国は腹立ちまぎれに自害した」アメリカから見たGSOMIA問題の本質

  • 3

    トランプが日本に突き付けた「思いやり予算」4倍の請求書

  • 4

    日本のノーベル賞受賞に思う、日本と韓国の教育の違い

  • 5

    GSOMIA失効と韓国の「右往左往」

  • 6

    中国は「ウイグル人絶滅計画」やり放題。なぜ誰も止…

  • 7

    アメリカが繰り返し「ウソ」を指摘......文在寅直轄…

  • 8

    表紙も偽物だった......韓国系アメリカ人高官が驚く…

  • 9

    香港の完全支配を目指す中国を、破滅的な展開が待っ…

  • 10

    「安い国」になった日本の現実は、日本人にとって幸…

  • 1

    「愚かな決定」「偏狭なミス」米専門家らが韓国批判の大合唱

  • 2

    マクドナルドのハロウィン飾りに私刑のモチーフ?

  • 3

    「アメリカは韓国の味方をしない」日韓対立で米高官が圧迫

  • 4

    「韓国は腹立ちまぎれに自害した」アメリカから見たG…

  • 5

    GSOMIA失効と韓国の「右往左往」

  • 6

    意識がある? 培養された「ミニ脳」はすでに倫理の…

  • 7

    インドネシア、巨大ヘビから妻救出した夫、ブタ丸呑み…

  • 8

    トランプが日本に突き付けた「思いやり予算」4倍の請…

  • 9

    「武蔵小杉ざまあ」「ホームレス受け入れ拒否」に見る深…

  • 10

    アメリカが繰り返し「ウソ」を指摘......文在寅直轄…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月