最新記事

日韓関係

日本と韓国が共に見習った中国の悪しき外交術

2019年8月5日(月)11時55分
マーセデス・トレント(全米科学者連盟リサーチアシスタント)

ルールを重んじる国際秩序を確立するという点で両国の利害が一致していることに、両国の国民は気付き始めていた。北朝鮮と中国の脅威が意識の変化を後押しする要因になった面もある。しかし、状況は大きく変わってしまった。

中国のやり方がまかり通るのを目の当たりにした日韓両国は、気に食わない国に罰を加えたり、譲歩を引き出したりする上で、その手法が有効だと思うようになったのだろう。いま日韓が自国の中国的行動を正当化する主張を繰り返す状況に、中国はほくそ笑んでいるに違いない。

しかも、これで日韓関係に一層ヒビが入れば、中国にとってはさらに都合がいい。実際、既に韓国は、日本との防衛上の情報の共有体制を見直す可能性も示唆し始めている。

こうして、日米韓の安全保障上の協力関係が揺らげば、3カ国が北朝鮮や中国の挑発に適切に対応する能力が弱まりかねない。日韓両国は相手を追い詰めているつもりで、自国の首を絞めてもいるのだ。

From thediplomat.com

<2019年8月13&20日号掲載>

【参考記事】韓国「反日大統領」文在寅、成功体験を重ねた自信家の経歴
【参考記事】「韓国の反論は誤解だらけ」

2019081320issue_cover200.jpg
※8月13&20日号(8月6日発売)は、「パックンのお笑い国際情勢入門」特集。お笑い芸人の政治的発言が問題視される日本。なぜダメなのか、不健全じゃないのか。ハーバード大卒のお笑い芸人、パックンがお笑い文化をマジメに研究! 日本人が知らなかった政治の見方をお届けします。目からウロコ、鼻からミルクの「危険人物図鑑」や、在日外国人4人による「世界のお笑い研究」座談会も。どうぞお楽しみください。


ニューズウィーク日本版 高市vs中国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月27号(1月20日発売)は「高市vs中国」特集。台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米国境責任者、ミネソタ州知事と会談 市民射殺事件で

ワールド

米政権の麻薬船攻撃巡り初の訴訟、死亡男性遺族「民間

ワールド

ウクライナ東部ハルキウで旅客列車にドローン攻撃、3

ワールド

デンマークとグリーンランドの首相、独仏訪問 欧州の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 3
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに...宇宙船で一体何が?
  • 4
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    「恐ろしい...」キリバスの孤島で「体が制御不能」に…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    生活保護と医療保険、外国人「乱用」の真実
  • 10
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中