最新記事

医療

耳の中に生きたチョウがいる!? (動画)

Removing Butterfly Living Inside Patient’s Ear

2019年7月18日(木)17時25分
カシュミラ・ガンダー

虫が多い熱帯では、昆虫が耳に飛び込むこともある? Jonathan Ernst-REUTERS

<チョウが耳に入るなんてありえない、と思ったら>

ベトナムのクリニックで、医師が患者の耳に入ったチョウを取り出す模様を撮影した動画が公開された。

患者の耳からチョウを取り出す様子 UPI通信

動画はUPI通信が7月15日付けの記事でシェアした。クリニックの所在地はベトナム北部のハナン省。処置をした医師はドクター・トゥアンとしか明かされていない。

ある男性(名前は不明)は耳の痛みを訴えてクリニックを訪れ、虫が入り込んだと思うとトゥアンに話した。

トゥアンが特殊なカメラで調べたところ不安は的中、外耳道に生きたチョウがいることが分かった。

動画では、患者とトゥアンが見守るモニター画面に拡大された外耳道が映っていて、虫のような物が入っている。

トゥアンはカメラを耳の中に向けながら、ピンセットで異物をつまみ出そうとしたがうまく行かず、器具を取り換えて、ようやく引き出すことに成功。チョウをガーゼにのせて、患者に見せたあと、もう一度カメラを耳に入れ、残った破片を取り除いた。

いつ、どこで、どうやってチョウが患者の耳に入ったかは不明だ。

熱帯では比較的多い!?

4月24日には、トゥアンが女性患者の耳からチョウを取り出す動画がアップされた。

女性の耳の中にもチョウ YouTube

この動画では女性患者はモニターに背を向け、目を閉じて処置が終わるのを待っている。彼女も耳の痛みを訴えてクリニックに来たが、道を歩いている時に、チョウが耳に飛び込むのが見え、それが痛みの原因だと思うと、トゥアンに話したという。

耳にチョウが入ることはよくあるのか。

本誌は英耳鼻咽喉科学会の名誉事務総長カール・フィロポット博士にコメントを求めた。「珍しいことだが、熱帯では比較的多いだろう。オリーブオイルで溺死させ、専門医に取り除いてもらうのがベストだ」

米ロチェスター大学医療センターによれば、野外にいる時や就寝中に昆虫が耳に入ることはあり、耳の中で死ぬ場合もあるが、生きていて、外耳道から出ようと暴れる場合もある。

綿棒などで取り出そうとするのは厳禁だと、同センターは警告している。「昆虫をさらに奥に押し込むことになるか、中耳や鼓膜を傷つけるおそれがある」からだ。

頭を傾けるか、静かに振っても出てこなければ、サラダ油やベビーオイルを少量耳に入れて虫を殺す。ぬるま湯を入れて、流し出してもいい。虫が出てこないか死骸が残った場合、発熱し、炎症が起きた場合は、専門医に診てもらうこと。

「鼓膜を刺す、引っ掻くなど、昆虫が耳の内部に損傷を与えることがある」(同センター)から、小さな虫でも侮れない。

20190723issue_cover-200.jpg
※7月23日号(7月17日発売)は、「日本人が知るべきMMT」特集。世界が熱狂し、日本をモデルとする現代貨幣理論(MMT)。景気刺激のためどれだけ借金しても「通貨を発行できる国家は破綻しない」は本当か。世界経済の先行きが不安視されるなかで、景気を冷やしかねない消費増税を10月に控えた日本で今、注目の高まるMMTを徹底解説します。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は続落、400円超安 利益確定売りが

ワールド

南ア大統領が訪米へ、関係改善へ協議 トランプ氏と来

ビジネス

ノボノルディスク、米セプテルナと肥満症薬開発で提携

ワールド

豪4月就業者数、予想大きく上回る 来週の利下げ予想
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 2
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 5
    宇宙から「潮の香り」がしていた...「奇妙な惑星」に…
  • 6
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 7
    iPhone泥棒から届いた「Apple風SMS」...見抜いた被害…
  • 8
    終始カメラを避ける「謎ムーブ」...24歳年下恋人とメ…
  • 9
    対中関税引き下げに騙されるな...能無しトランプの場…
  • 10
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中