EU首脳、競争力強化加速で合意 米中優位に危機感共有
ベルギーのアルデンビーセンで開催されたEU非公式首脳会合。12日撮影。REUTERS/Murad Sezer
Julia Payne Philip Blenkinsop Ingrid Melander
[アルデンビーゼン(ベルギー) 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)は12日にベルギーで開いた非公式首脳会合で、域内の企業が米国や中国との厳しい競争を生き抜き、競争力を維持できるよう、EUの単一市場の機能改善に向けた幅広い取り組みの実施で合意した。
EU当局者によると、首脳会合で行動を急ぐ必要性が強調され、「貯蓄投資同盟(SIU)」の早期完成のほか、欧州の企業を後押しするための合併規制の見直し、創業や事業拡大の支援、官僚的手続の削減などで合意。EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「一つの欧州、一つの市場の実現を目標としている」と述べた。
<危機感を共有、緊急性強調>
欧州委が3月に単一市場の一段の深化に向けた計画を提示し、首脳レベルで具体的な実施スケジュールで合意することを目指す。フォンデアライエン氏は会合終了後の記者会見で、計画には戦略的分野の公共調達で欧州製品を優先する仕組みも含まれると説明した。
EUの経済成長率は長年にわたり米国や中国を下回っているほか、人工知能(AI)などの分野でも遅れをとっている。ドイツのメルツ首相は「迅速に断固として行動しなければならない。今回の会議で全ての首脳がこの点を一致して強調した」と指摘。フランスのマクロン大統領も「われわれは不公正な競争や関税に直面しており、危機感を共有している。加速しなければならない」と語った。
フォンデアライエン氏は、停滞している「資本市場同盟」の推進を加速させ、銀行口座に滞留している約10兆ユーロ規模の貯蓄を投資に回すことができるようにする方針を表明。「貯蓄投資同盟の第1段階となる市場統合、監督、証券化を6月までに実施することで一致した」と述べた。加盟27カ国全てが迅速に歩調を合わせるのが難しい場合、少なくとも9カ国の「小規模グループ」で先行する考えも示した。
<エネルギー価格高騰に対応>
欧州の電力価格が米国や中国の2倍以上の水準にある現状を踏まえ、多くのEU首脳がエネルギー価格の高騰への対応が重要になると強調。今回の会合では具体的な決定に至らなかったため、3月に開かれる次回首脳会議で欧州委が対応策を提示する。





