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航空トランプの助言であのボーイング737MAXが名称変更?

2件の大事故を受けて運航停止中の737MAX Lindsay Wasson-REUTERS
<航空業界では事故による名称変更は前例がなく、大事故を起こした機種でさえ同じ名称が使われ続けている>
私ならボーイング737MAXに修正を加えた上で、新たな名前に商標変更する――トランプ米大統領がそうツイートしたのは4月半ばのこと。ボーイング社はこのアドバイスをめぐり揺れているようだ。
同社の最新鋭旅客機737MAXは昨年10月にインドネシア沖、今年3月にエチオピアで相次いで墜落。犠牲者は計346人に上り、全世界で運航停止措置が取られている。6月17日、グレッグ・スミスCFOはパリ国際航空ショーで「あらゆる意見に耳を傾ける」と発言。機体の名称変更も検討する方針を示した。だが直後に同社の広報担当が変更計画はないと発表した。
実際、航空業界では事故による名称変更は前例がなく、大事故を起こした機種でさえ同じ名称が使われ続けている。呼び方が変わっても、その機種への業界内の評価は変わらないし、乗客はわざわざ機種を調べてフライトを選ぶわけではないからだ。
大事故が起きても世間はいずれ忘れるという意味では、ボーイングも慌てて名前を変える必要はないのかもしれない。
<本誌2019年7月2日号掲載>
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