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トランプ「25%」表明に対する中国の反応と決定に対する中国の今後の動向

2019年5月10日(金)16時00分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

3.9日の環球時報は、「米国は"鴻門宴"を開こうとしているが、中国に脅しをかけても無駄だ」という社説を発表。「鴻門宴」とは、日本語では「鴻門の会」と表現することが多いが、紀元前206年、項羽が鴻門で宴を催した際、剣舞にことよせて劉邦を殺そうとした史実を指す。転じて、「客を招待しておきながら、計略を巡らせて政治的取引をすること」を意味する。

剣舞を装って殺されてなるものかとばかりに、中国商務部が報道官の談話として8日、米国の関税率引き上げに対し「対抗措置を講じざるを得ない」と発表したと書いている。報復関税の発動があり得るということだ。

環球時報は「しかし中国の態度は冷静で、劉鶴副首相ら通商交渉団は予定より1日遅らせて訪米の途に就いた。これこそが中国人の意思表示の方法なのだ」と続ける。

そして「中国はもちろん合意に至りたいと思っているが、米国はもっと合意に至りたいと切望している。(中略)しかし米国がもし関税衝突のゴングをどうしても鳴らすというのなら、中国は徹底してお付き合いしましょう。貿易戦争などしたくはないが、しかし貿易戦に入ることを中国は少しも怖がっていないし、戦わなければならない時もある。中国のこの姿勢は一貫して変わっていない」と結んでいる。

中国政府元高官:中国は知財に関して法制定までしている

8日、中国政府元高官に「中国は今般のトランプの25%引き上げ表明に関してどう思うか」と聞いた。すると、以下のような回答が戻ってきた。

――トランプはもう尋常じゃないね。イチャモンを付けているとしか言いようがない。中国は昨年末、トランプの要求に応じて外商投資法の制定を建議し、今年の全人代で外商に対する技術移転強要などを禁止する外商投資法を決議し制定したではないか。それなのにトランプは、米中通商協議の最終段階で中国がそれを破ったって言っているが、あれは何だ、いったい!全人代で制定したばかりの法律を中国自身が否定するとでも思っているのか!トランプは要するに中国が怖いんだよ。中国が「中国製造2025」という国家戦略でアメリカを追い抜いてしまうかもしれないと恐れている。それと次期大統領選挙で再選されたい。トランプの頭の中には、そういう事しかない。だからイランが合意を守ってないなどと、どの関係国も否定するようなイチャモンを付けて、イラン合意から一人だけ勝手に抜け出してしまった。自国民への人気取りのためなら、世界に混乱を招き戦争を引き起こしても構わないと思っている。そんなこと、いちいち相手してられるか!

今回は、いやに語気が荒い。ここには書けないような言葉も飛び出してきた。

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