最新記事

フランス

「歴史が煙と消えた......」 ノートルダム火災で悲嘆にくれるパリ市民

2019年4月16日(火)16時26分

貴重な調度品や宗教芸術のほか、風説に耐えたガーゴイルの彫刻や大聖堂北面の鐘楼を守ろうと消防隊員が奮闘する中で、フランス国民には世界の指導者から悲しみのメッセージが寄せられた。

「ノートルダムは、人類すべてのものだ。なんという悲劇、なんという恐怖だろう。フランスの悲しみを共有している」。欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のユンケル委員長は、こうツイートした。

2016年の米大統領選に民主党候補として立候補したヒラリー・クリントン氏は、「私の心はパリとともにある。ノートルダムは、1人の力では絶対に建てられない素晴らしい信仰の場を建設するという、高い目的のために団結できる人類の力のシンボルだ」と記した。

ノートルダム寺院の最初の礎石が据えられたのは、ルイ7世時代の1163年だった。そのころ中世都市パリは、フランス国家にとって政治的にも経済的にも重要性を高めており、人口も増加していた。建設は13世紀まで続き、17─18世紀には大規模な修復と増築が行われた。石細工とステンドグラスが聖書の物語を伝えている。

13世紀に建設された2つの鐘楼にある鐘のうち最も大きなものは、「エマニュエル」と呼ばれている。鐘楼の上まで上がる階段は387段で、来訪者はその途中で想像上の生物の像を見ることができる。その多くは複数の動物をかけあわせた風貌で、最も有名なのはほおづえをついて寺院最上部からパリ市街を見下ろすガーゴイルだ。

(翻訳:山口香子、宗えりか、編集:下郡美紀)

Leigh Thomas

[パリ 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

newsweek_20190416_164840.jpg

燃えさかるノートルダム寺院の尖塔が崩れ落ちる (c) Newsweek.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

原油先物が上昇、ホルムズ海峡の混乱長期化を懸念

ワールド

自衛隊の中東派遣、「情報収集」目的で政府検討 ホル

ビジネス

伊ウニクレディト、独コメルツ銀の30%超取得へ公開

ビジネス

英CPI、ノンアルビールやフムス採用 健康志向反映
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中